華々しく株式市場へと躍り出た新規上場企業(IPO)たちは、果たして投資家の熱い視線に見合う成果を上げているのでしょうか。2018年以降に世界各国で上場した主要銘柄を対象に、直近四半期の増収額を調査したところ、米中のインターネットサービス勢が圧倒的なパワーを見せつける結果となりました。
特に注目すべきは、今回のランキングで見事首位に輝いた中国の「美団点評(メイトゥアン)」でしょう。2018年9月20日に香港市場へ上場した同社は、2019年4月から6月までの四半期において、前年同期比で1000億円を超える驚異的な増収を記録しました。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いとはこのことですね。
SNS上では、この美団点評の快進撃に対して「中国のデリバリー経済の規模が異次元すぎる」といった驚きの声が多く上がっています。また、アリババ系の競合サービスとの激しいシェア争いに注目するユーザーも多く、プラットフォーム間の「顧客争奪戦」が投資家たちの関心を強く惹きつけているようです。
出前を起点にした多角化戦略の勝利
美団点評がここまで急成長を遂げた背景には、単なる「料理の出前」に留まらない巧妙な戦略が存在します。彼らはデリバリーサービスで獲得した膨大なユーザーを、ホテルや旅行予約といった高収益な他サービスへ巧みに誘導する「エコシステム(相互補完)」戦略を構築しているのです。
2019年の4月から6月期には最終損益の黒字化を達成しており、株価も上場以来の高値圏を維持しています。単に売上を伸ばすだけでなく、しっかりと利益を出す構造へとシフトした点は、編集者である私の目から見ても「成長の質」が一段階上がった非常にポジティブな変化だと感じます。
一方で、2位のウーバーテクノロジーズや5位のリフトといった米国のライドシェア勢は、増収こそしているものの巨額の赤字から脱却できていません。米国市場が最高値を更新する活況の中、低迷する彼らの株価は、大株主であるソフトバンクグループや楽天の業績にも影を落としており、明暗が分かれています。
日本勢は不動産テックと効率化プラットフォームに注目
視点を日本国内に転じてみましょう。2018年以降の国内IPO銘柄では、増収額こそ世界規模には及ばないものの、独自のテクノロジーを武器にする企業が躍進しています。特に目立つのは、AIを活用した不動産マッチングサイト「リノシー」を展開するGA technologies(ジーエーテクノロジーズ)です。
同社は2018年8月28日の上場以来、サッカークラブのスポンサー契約などで知名度を飛躍的に高め、中古不動産市場にITの風を吹き込んでいます。さらに、印刷や運送の非稼働時間を有効活用するラクスルのように、既存産業の無駄を解消する「プラットフォームビジネス」も着実な成長を見せています。
世界的なネット企業の爆発力に目を奪われがちですが、日本のIPO銘柄に見られる「堅実な成長率」と「特定分野でのデジタル変革(DX)」は、将来的に大きな果実を結ぶ可能性を秘めています。投資家としては、今のうちからこうした隠れた実力株を精査する眼力が求められる時期だと言えるでしょう。
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