新潟随一の繁華街として知られる古町地区。その一角で、連日予約が途切れない人気店「旬魚酒菜 五郎 古町店」を支えるのが、料理長の諏佐尚紀氏です。彼はかつて自衛隊の精鋭部隊「第1空挺団」に身を置いていたという、料理人としては異色の経歴を持っています。そんな彼が2019年には「新潟市若手料理人コンテスト」でグランプリを受賞し、今や新潟の食文化を牽引する存在として熱い注目を浴びているのです。
諏佐氏が飲食の世界を志したのは、専門学校時代に訪れたバーでの原体験がきっかけでした。訪れる人々が皆、温かな空間で笑顔になって帰っていく姿に「飲食の持つ力」を痛感したといいます。一度は体力を活かす道を選んだものの、夢を諦めきれず21歳で飲食の道へ飛び込みました。その後、26歳で現在の運営会社であるイデアルに入社し、包丁の基礎から徹底的に修行を積み、現在の地位を築き上げました。
ネット上の口コミやSNSでも「自衛隊出身というストイックさが料理の繊細さに表れている」「一品一品へのこだわりが凄まじい」と、彼の歩んできた道と料理のクオリティを称賛する声が後を絶ちません。単においしい料理を作るだけでなく、そこに至るまでの情熱が多くのファンを魅了しているのでしょう。自衛隊という厳しい環境で培われた精神力が、妥協を許さないプロの仕事へと昇華されている点は、同じビジネスマンとしても見習いたい部分ですね。
生産者の情熱を皿に込める「食材の翻訳家」としての矜持
諏佐氏が料理において最も大切にしているのは、生産現場への直接の訪問です。農家や漁師、酒蔵へ自ら足を運び、どのような環境で、どのような想いを持って食材が作られているのかを五感で確かめます。単に発注して届いた食材を調理するのではなく、現場を知ることで初めて独創的なアイデアが生まれると考えているのです。作り手の「こだわり」を料理で表現し、消費者の「感動」を生産者にフィードバックする循環を重視しています。
その情熱を象徴する一皿が、2019年現在も高い人気を誇る「トマトの揚げだし」でしょう。新潟県産トマトのポテンシャルを引き出すため、トビウオから取った「あご出汁(だし)」を合わせ、さらに本来は捨てられてしまうトマトの新芽を添えるという、驚きに満ちた構成です。ここで使われる「あご出汁」とは、トビウオを乾燥させたもので、深みのある上品な旨味が特徴の高級出汁です。こうした創意工夫が、食通たちの心を掴んで離しません。
「新潟は海・山・川・平野のすべてが近く、四季が明確。何を食べても平均点が高い」と語る諏佐氏。彼の次なる目標は、新潟を「食で世界を魅了する観光地」にすることだそうです。自身の発信力を高め、地域の魅力を世界へ届けるために邁進する彼の姿は、まさに現代の「食のリーダー」と呼ぶにふさわしいでしょう。彼のような熱い料理人がいる限り、新潟の食の未来は非常に明るく、さらなる進化が期待できると確信しています。
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