2019年11月11日、中国で年間最大のネット通販イベント「独身の日」が華々しく幕を開けました。今回で11回目を迎えるこの巨大セールは、今や世界で最も消費が動く一日として定着しています。業界最大手のアリババ集団は、セール開始からわずか1分36秒で取扱高が100億元、日本円にして約1500億円を突破するという驚異的な記録を打ち立てました。真夜中の熱狂は、中国経済の底力を象徴しているかのようです。
浙江省杭州市にあるアリババ本社に設けられた特設会場には、深夜にもかかわらず多くのメディアや関係者が詰め掛け、異様な熱気に包まれています。会場正面の巨大な電光掲示板には、リアルタイムで膨れ上がる取引額が映し出され、数字が更新されるたびに歓声が沸き起こりました。SNS上でも「今年もこのお祭りが来た!」「欲しかった化粧品を無事に確保できた」といった興奮気味の声が、ハッシュタグ「双11」と共に溢れかえっています。
「双11」がもたらす巨大な経済効果と日本企業の存在感
「独身の日」は中国語で「双11(ダブルイレブン)」と呼ばれ、1が並ぶ日付にちなんだ独身者のためのイベントが起源です。この仕組みを2009年に考案したのは、2019年9月に経営トップに就任した張勇(ダニエル・チャン)会長兼CEOでした。現在では独身者だけでなく、全世代が「一年で最も商品が安くなる日」として数カ月分の生活用品を買いだめする、国家的な購買イベントへと進化を遂げたのです。
ここで注目される「取扱高」という言葉は、プラットフォームを通じて取引された商品の総額を指します。企業の売上そのものではなく、市場の活況を示す指標として極めて重要です。中国景気の減速が懸念されるなか、アリババの今年の取扱高は過去最高だった2018年の2135億元(約3兆3000億円)を大きく塗り替え、4兆円の大台に乗るとの予測も出ています。消費者の購買意欲は、依然として衰えを知りません。
また、日本を含む海外ブランドの動向からも目が離せません。高品質な日本の化粧品やベビー用品は中国の消費者から絶大な信頼を得ており、この爆発的な需要を取り込めるかどうかが各企業の業績を左右するでしょう。編集者の視点から見れば、これは単なるセールの枠を超えた「デジタル経済の祭典」です。最先端の物流システムと決済技術が、わずか数分で兆単位の資金を動かす様子は、まさに圧巻の一言に尽きます。
コメント