日立が挑む医療DX!AIによる「費用対効果評価」支援サービスで新薬開発はどう変わる?

日本の医療界に新たな風が吹き込みます。大手電機メーカーの日立製作所が、人工知能(AI)を駆使して新薬や最新医療機器の「コストパフォーマンス」を劇的に可視化する新サービスを開始しました。2019年11月14日に発表されたこの取り組みは、製薬業界が抱える膨大な事務作業の負担を軽減し、よりスピーディーな医療提供を実現するための画期的な一歩として注目を集めています。

現在、SNS上では「AIが専門的な医学論文を仕分けしてくれるのは助かる」「医療費の適正化につながれば嬉しい」といった期待の声が上がる一方で、AIによる判断の正確性を注視する意見も散見されます。複雑なデータを扱う医療分野において、日立の技術力がどこまで現場のニーズに応えられるのか、多くの業界関係者がその動向を熱心に見守っている状況といえるでしょう。

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「費用対効果評価制度」への対応をスマートに

背景には、2019年04月01日に本格施行された「費用対効果評価制度」があります。これは、公的な医療保険が適用される薬や機器が、その価格に見合うだけの治療効果を持っているかを厳格にチェックする仕組みです。医療技術の高度化に伴い、高額な薬剤が増加して国の財政を圧迫しているため、限られた予算を有効に活用することを目的に導入されました。

しかし、この制度への対応は容易ではありません。これまでは医療経済の専門家が、手作業で膨大な医学論文を読み込み、過去の診療データと照らし合わせるという気の遠くなるような作業を行ってきました。日立の新サービスは、まさにこの「人海戦術」に頼っていた部分をAIでデジタル化し、企業の戦略立案を強力にバックアップするものなのです。

特筆すべきは、情報収集の圧倒的なスピード感です。従来、数千本にのぼる医学論文から必要な箇所を抽出して整理するには、数ヶ月もの月日を要していました。しかし、日立のAIを活用すれば、重要な情報だけを数十本分程度のボリュームにまで凝縮し、わずか1週間から2週間程度で作業を完了できるといいます。この驚異的な効率化は、開発スピードを左右する大きな武器となるはずです。

膨大なデータから導き出す「治療の価値」

さらに、このシステムは論文の要約だけにとどまりません。「レセプト(診療報酬明細書)」と呼ばれる、医療機関が保険者に提出する診療費の請求書データを解析する機能も備わっています。患者さんごとの診療パターンをAIが詳細に分析することで、特定の治療にどれだけの費用がかかっているのか、より実態に近い数値を算出することが可能になりました。

日立は2021年度(2022年03月31日まで)に10件の受注を目指しており、価格面でも競合他社に負けない競争力を持たせる構えです。がん領域などの複雑な案件では数千万円規模の費用が見込まれますが、開発段階で薬の効果を左右する「バイオマーカー(生体指標)」の探索を支援するメニューも用意するなど、付加価値の高さで差別化を図っています。

編集者の視点から言えば、この取り組みは単なる「企業の効率化」以上の意味を持ちます。AIが裏方として支えることで、製薬会社は「質の高い薬をより早く届ける」という本来の使命に集中できるからです。後発としての参入ではありますが、日立が持つデータ解析のノウハウが日本の医療財政を救う「特効薬」になることを切に願っています。

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