2020年1月29日の東京株式市場において、綜合警備保障(ALSOK)の株価が急激に値下がりしました。前日の終値と比較して、一時は370円も安い5520円まで急落する場面があり、およそ3ヶ月ぶりの安値を記録しています。この引き金となったのが、前日に報じられた宮崎空港での警備業法違反のニュースでした。本来配置すべき資格を持つ警備員を十分に揃えていなかったという報道を受け、企業のコンプライアンス体制を疑問視した投資家たちから、一斉に手仕舞いの売りが膨らんだ形です。
SNS上でもこのニュースは大きな波紋を広げており、「空港の安全に関わる部分での不備はイメージダウンが大きい」「オリンピック前なのに大丈夫か」といった厳しい意見が目立ちます。その一方で、取引開始直後に最安値をつけた後は徐々に買い戻される動きも見られました。最終的なこの日の終値は、前日比170円安の5720円で取引を終えています。売買代金は前日の3倍以上に膨れ上がっており、今回の報道が市場へ与えたインパクトの大きさがうかがえるでしょう。
問題となった宮崎空港の保安検査を担当しているのは、ALSOKが15%を出資する「持分法適用会社」の宮崎綜合警備です。持分法適用会社とは、親会社が直接支配していなくても、出資や人事を通じて経営に強い影響力を及ぼせる関係の企業を指します。ALSOKは2020年1月29日の昼、有資格者が不足していた事実を認め、速やかに改善すると発表しました。同時に「業績への影響は極めてわずか」と説明し、グループ全体で法令順守の教育を徹底する姿勢を示しています。
企業の社会的責任が叫ばれる現代において、今回のような法令違反はブランド価値を揺るがしかねない重大な問題です。しかし、私は今回の急落を過度に悲観する必要はないと考えます。ALSOKの株価は2019年の夏から年末にかけて右肩上がりで上昇していたため、投資家にとってはちょうど良い利益確定のきっかけになった側面が強いからです。不祥事による一時的なショック安は、むしろ中長期的な視点で見れば、絶好の投資チャンスになるのではないでしょうか。
実際に市場では、この下落局面を狙った「押し目買い」の動きが早くも観測されています。押し目買いとは、上昇傾向にある銘柄が一時的に値下がりしたタイミングを狙って買いを入れる投資手法のことです。専門家からも、東京オリンピックの開催を控えて警備需要のさらなる高まりが期待できるため、この割安感を好機と捉えた買いが入ったという分析がなされています。イベント需要に支えられたALSOKの成長シナリオは、依然として崩れていないと言えます。
さらに、ALSOKは2020年1月31日に2019年4〜12月期の決算発表を控えており、その内容に注目が集まっています。アナリストの間では、同社が景気の動向に左右されにくい「ディフェンシブ株」として、引き続き高い評価を得ているようです。ディフェンシブ株とは、生活必需品や公共サービスなど、不況時でも業績が安定しやすい銘柄を指します。今回の株価急落はあくまで一時的なうねりに過ぎず、企業の底堅い基盤を考慮すれば、速やかに本来の評価へと戻っていくでしょう。
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