ブラジルの首都ブラジリアにて、2019年11月14日にBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の首脳会議が幕を閉じました。今回の大きな成果は、世界的に広がる保護主義への危機感を共有し、多国間主義を維持することを誓った「首脳宣言」の採択です。保護主義とは、自国の産業を守るために輸入を制限したり関税をかけたりする動きのことですが、5カ国はあえてこれに異を唱え、世界経済の安定を目指す姿勢を鮮明に打ち出しました。
SNS上では、この宣言に対して「米中貿易摩擦が影を落とす中、新興国の結束は重要だ」という声がある一方で、「各国の利害が異なる中でどこまで実効性を持てるのか」と期待と不安が入り混じった反応が見られます。特に注目を集めたのは、議長国ブラジルのボルソナロ大統領の動向でしょう。2019年1月1日に就任した彼はトランプ米大統領への親密さをアピールしてきましたが、今回の会見では「世界中と取引をする」と語り、実利を優先する巧みな外交術を見せました。
エネルギー分野で加速する実務的な経済協力の形
今回の会議は理念だけでなく、具体的な経済連携についても一歩踏み込んだ議論が行われています。ロシアのプーチン大統領は、加盟国が協力して石油やガスの探索を行う「BRICSエネルギー探索プラットフォーム」の創設を提案しました。これは、エネルギー資源の安定供給を共同で目指す画期的な仕組みです。専門家による知見の共有が進めば、加盟国間での投資や技術開発が一段と活発化するはずであり、資源大国を含むこの枠組みならではの強みが発揮されるでしょう。
私自身の見解としては、米中対立という巨大な火種がある現代において、新興5カ国が「政治的な不確実性」に警鐘を鳴らす意義は極めて大きいと感じます。特定の国家による一方的な貿易制限は、結果として世界全体の経済成長を阻害しかねません。ボルソナロ大統領が掲げた「貿易戦争に加わらない」という中立のスタンスは、自国の成長を第一に考える新興国にとってのスタンダードになりつつあります。今後、この巨大なマーケットがどのように調和していくかが鍵となります。
2019年11月14日に採択された宣言にある通り、貿易の緊張は投資家の心理を冷え込ませる最大の要因です。だからこそ、BRICSが多国間主義、つまり複数の国々がルールに基づいて協力し合う体制を重視することは、国際社会の信頼を取り戻すための第一歩と言えるでしょう。各国の野心や思惑は依然として複雑に絡み合っていますが、経済という共通言語を通じて手を取り合う彼らの動きから、今後も目が離せません。
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