2019年11月15日、アラブ首長国連邦のドバイで開催されているパラ陸上の世界選手権において、男子1500メートル(知的障害T20クラス)の決勝が行われました。日本代表として出場した赤井大樹選手は、序盤から果敢にレースを牽引する攻めの走りを見せ、観客の視線を釘付けにしました。自ら先頭に立ってペースを作るその姿からは、今大会で東京パラリンピックの出場内定を勝ち取ろうとする並々ならぬ執念が伝わってきます。
レースが大きく動いたのは最終周回でした。赤井選手は2番手という絶好のポジションでラストスパートの合図を待ちましたが、上位陣の爆発的な加速に対応しきれず、徐々に順位を落とす結果となります。最終的には3分58秒台のタイムで7位フィニッシュとなり、今大会での代表内定条件である「4位以内」には惜しくも届きませんでした。レース後の彼は、自身の力不足を静かに認める一方で、悔しさを滲ませる表情が印象的でした。
SNS上では、彼の積極的な姿勢に対して「最後まで攻める姿勢に感動した」「次こそは東京の舞台で走ってほしい」といった熱い応援メッセージが相次いでいます。ここで語られる「知的障害クラス」とは、記憶や学習、判断力などの認知機能に特性を持つ選手たちが競うカテゴリーです。1500メートルのような中長距離種目では、走力だけでなく、周囲との駆け引きやペース配分といった高度な戦術眼が求められるため、非常に奥が深い競技と言えるでしょう。
編集者としての私見ですが、赤井選手の今回の走りは、決して「敗北」という言葉だけで片付けられるものではありません。世界という大きな舞台で自らレースを動かした経験は、彼にとって計り知れない糧になるはずです。勝負の世界は残酷ですが、この悔しさをバネに、残された選考のチャンスで彼がどのような進化を遂げるのか、期待せずにはいられません。東京パラリンピックの号砲が鳴るその日まで、私たちは彼の挑戦を全力で追い続けるべきだと確信しています。
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