静岡県の太平洋クラブ御殿場コースで開催されている「三井住友VISA太平洋マスターズ」は、2019年11月16日の第3ラウンドを終え、驚天動地の展開を迎えました。東北福祉大学3年生のアマチュア、金谷拓実選手が驚異のスコア「63」を叩き出し、16位タイから一気に単独首位へと躍り出たのです。最終18番ホールでは、グリーン左奥のバンカーから傾斜を巧みに利用し、ピンそば2メートルに寄せる絶妙なリカバリーを披露しました。
最後をバーディーで締めくくった金谷選手は、力強いガッツポーズを見せ、詰めかけたギャラリーを大いに沸かせてくれました。彼が記録した「63」という数字は、2018年にコースが全面改修され、パー設定が72から70に変更されて以降のコースレコードとなります。初日は51位と大きく出遅れましたが、本人は明日の最終日を見据え、一打でもスコアを伸ばすことの重要性を噛み締めていたようです。
SNS上では「アマチュアとは思えない落ち着き」「松山英樹の再来か」といった称賛の声が相次ぎ、若き才能への期待が最高潮に達しています。今大会の初日は強風という自然の猛威にさらされ、スコアを崩す選手が続出しました。しかし、金谷選手はアイアンショットの距離感を完璧に修正し、パッティングの感覚を研ぎ澄ませることで、見事にバーディーを量産したのです。
過去の挫折を糧に掴んだ優勝への王手
1年前の同大会では最下位で予選落ちを喫するという、屈辱的な経験を味わいました。しかし、今の彼は池などのハザード、つまり「ワナ」を巧みに避けるマネジメント能力を身につけています。マネジメントとは、コースの難所を予測してリスクを最小限に抑える戦略的なプレーのことです。苦い教訓を無駄にせず、一打一打に対して非常に粘り強いゴルフを展開している姿が印象的でしょう。
近頃の金谷選手は、連覇を狙ったアジア太平洋アマでの敗北や日本オープンでの不振により、自信を喪失しかけていたと吐露していました。しかし、試合が進むにつれて調子を上げる「尻上がり」の勝負強さは、まさに一流の証と言えます。2017年の日本オープンでは、トッププロの池田勇太選手を追い詰めながらも、あと一歩でメジャー制覇を逃しました。その時の悔しさが、現在の彼の原動力となっているのは間違いありません。
もし金谷選手がこのまま逃げ切れば、2011年の松山英樹選手以来となる史上4人目のアマチュア優勝という快挙達成となります。現在のゴルフ界では外国勢による5連勝が続いており、日本勢の奮起が期待される状況です。21歳の大学生が、この大きな壁を打ち破る瞬間を私たちは目撃できるかもしれません。周囲の動向に惑わされず、自分自身のベストを尽くす姿勢こそが勝利への近道となるはずです。
編集者の視点から言えば、金谷選手の魅力は技術以上にその強固なメンタリティにあります。過酷なコースセッティングの中で、アマチュアが首位に立つのは並大抵のことではありません。明日の最終日、彼は再び歴史を塗り替える一打を放ってくれるでしょうか。若き侍が御殿場の地で栄冠を掴み取る瞬間を、日本中のゴルフファンが固唾を飲んで見守っています。
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