建設業界の安全管理に、今まさにデジタルの風が吹き込んでいます。大手ゼネコンの竹中工務店は、通信大手のKDDIおよび消火器メーカーのヤマトプロテックと手を組み、最先端の「IoT」技術を駆使した火災報知システムの実証実験を開始しました。IoTとは「Internet of Things」の略称で、物理的なモノをインターネットに繋ぐことで、遠隔でのデータ収集や制御を可能にする仕組みを指します。この革新的なプロジェクトは、これまでの現場管理における常識を覆す可能性を秘めているのです。
2019年09月には、第1弾となるシステムを活用した避難訓練が行われ、その精度の高さが証明されました。従来の建設現場では、建物の形が日々変わるため、有線の報知機を張り巡らせることが非常に困難という課題を抱えていたのです。そのため、万が一火災が発生しても現場全体へ即座に状況を伝えることが難しく、安全確保が急務とされてきました。この状況を打破するために開発されたのが、無線ネットワークを活用した今回のクラウド型報知システムなのです。
SNS上でもこのニュースは大きな注目を集めており、「夜間の無人現場でも火災を検知できるのは画期的」「命を守るための技術活用はもっと進んでほしい」といった期待の声が数多く寄せられています。今回の実験では、竹中工務店が独自の「IoT分電盤」を提供し、電力供給と通信の要を担いました。ヤマトプロテックが提供する高精度な火災報知機が煙や熱を感知すると、KDDIのクラウドシステムを通じて、全作業員のスマートフォンやメールへ瞬時に警報が届く仕組みとなっています。
特筆すべき点は、単に火災を知らせるだけでなく、あらかじめ登録された最適な避難経路まで同時にアナウンスされることです。刻一刻と構造が変化する工事現場において、迷うことなく逃げ道を確保できるメリットは計り知れません。実際の実験結果でも、出火から避難開始までの時間が大幅に短縮されるなど、確かな手応えを得ています。私は、こうした異業種による共創こそが、人命を第一に考えるこれからのスマートシティの基盤になると確信しており、技術の成熟を強く支持します。
3社は2020年03月まで実証実験を継続し、さらなる機能のブラッシュアップを経て実用化を目指す方針を固めています。夜間や週末など、現場に人がいない時間帯の火災被害を最小限に抑えるためにも、このシステムの早期普及が待たれるところです。人手不足が深刻化する建設業界において、こうしたテクノロジーによる安全の自動化は、現場で働く人々の安心感を底上げする重要な鍵となるでしょう。未来の工事現場は、よりスマートで、より安全な場所へと進化を遂げていくはずです。
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