美食の街として知られるフランス・パリで、今これまでにない新しい食のスタイルが熱い注目を浴びています。その主役は、意外にも日本の伝統酒である「日本酒」です。現在パリでは空前の日本酒ブームが巻き起こっており、その発信地として話題を集めているのが、2018年後半にオープンした「ピガル・フロマージュ・クラブ(Pigalle Fromage Club)」というユニークな酒バーです。
このお店は、世界各地でグルメイベントを手掛ける日本酒通のイヴ・ドゥ・ロックモレル氏がプロデュースしました。ピガル界隈にあるホテルの飲食スペースを活用し、夕刻の空き時間を利用して運営されています。店名にある「フロマージュ」とはフランス語でチーズを意味しており、文字通りフランス産チーズと日本酒の組み合わせを心ゆくまで堪能できる空間となっているのです。
SNS上では「ワインの聖地パリで日本酒がこれほど受け入れられるとは!」「チーズと日本酒の組み合わせは新感覚の驚き」といった驚きと称賛の声が相次いでいます。フランス人の味覚に合わせた提案が、現地の人々の心をしっかりと掴んでいるのでしょう。日本が誇るSAKEの文化が、本場フランスの食卓と見事に融合し、新たなトレンドとして確立されつつある様子が伺えます。
最高級チーズ18種と蔵元直送の銘酒が織りなす至福の体験
店内にはフランスが誇る最高級のチーズが約18種類も揃い、対する日本酒も全国各地の蔵元から厳選された約15種類が並びます。コンセプトは、自分の好みのチーズに最適なお酒を、ワイングラスでテイスティングするという非常に優雅なものです。ドゥ・ロックモレル氏によれば、日本酒はワイン以上にチーズの深い味わいを引き立てるため、これ以上ない最高のマリアージュを楽しめるとのことです。
一般的に、フランスの方々にはフルーティーな香りのものや、甘口、フローラル系の華やかな日本酒が特に好まれる傾向にあります。もちろん、それ以外にも多彩な風味のお酒が完備されており、お酒の知識が豊富なサービススタッフが丁寧にアドバイスしてくれます。初心者でも安心して自分だけの一杯を見つけられる環境が整っており、毎月開催される地域別のテイスティング会も非常に盛況です。
価格設定も非常に良心的で、2019年12月02日時点では、チーズが1品3.5ユーロ(約420円)、お酒は1杯(80ミリリットル)で8ユーロ前後となっています。特に人気なのは、3種類の銘柄を少量ずつ楽しめる15ユーロのテイスティングセットです。日本酒の多様性を一度に味わえるこのセットは、飲み比べを楽しみたいパリっ子たちの間で定番のメニューとなりつつあります。
日本酒以外にも、フランス産のナチュラルワインや最高級のイベリア産生ハム、さらにはデザートに大福もちまで用意されています。営業時間は毎日午後6時から11時までとなっており、地元客だけでなく外国人観光客にも愛される人気店へと成長しました。この勢いに乗り、近々2号店のオープンも予定されているとのことで、パリにおける日本酒の勢いは今後さらに加速していくでしょう。
私自身の視点としても、チーズの持つ乳酸由来の酸味や濃厚な脂質は、日本酒に含まれるアミノ酸や旨味成分と化学反応を起こすように調和すると感じます。発酵食品同士という共通点が、国境を越えた「美味しい」の架け橋となっているのは非常に喜ばしいことです。ワイン大国フランスで日本酒が評価されることは、日本の醸造技術の高さが世界レベルで認められた証と言えるのではないでしょうか。
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