2019年11月14日、九州場所を沸かせていた土俵に激震が走りました。西関脇の栃ノ心関が、日本相撲協会へ診断書を提出して休場することが発表されたのです。前日の宝富士戦で勝利を収めたものの、その代償はあまりにも大きく、右肋軟骨骨折という重傷を負ってしまいました。ファンからは「あの力強い吊り出しがもう見られないのか」と、悲しみの声が次々と上がっています。
今回の怪我は「3週間の安静加療」が必要とされており、今場所での復帰は極めて困難な情勢でしょう。肋軟骨とは、肋骨と胸骨を繋ぐ非常にデリケートな軟骨組織のことです。呼吸をするだけでも響くような痛みが走る箇所であり、激しいぶつかり合いが日常の力士にとって、この負傷は致命的とも言えます。師匠の春日野親方も、回復には時間がかかるとの厳しい見通しを示しています。
特に注目されていたのが、栃ノ心関の「大関返り咲き」への挑戦でした。大関から陥落した直後の場所で10勝を挙げれば特例で復帰できるルールがありますが、5日目にしてその夢は事実上、絶望的になったと言わざるを得ません。SNS上では「不屈の精神で戻ってきてほしい」というエールの一方で、相次ぐ怪我に「体が悲鳴を上げているのではないか」と体調を深く慮る意見も散見されます。
さらにこの2019年11月14日には、新入幕で快進撃を続けていた若隆景関も休場を届け出ました。診断名は「右足部ショパール関節脱臼」という聞き慣れないものですが、これは足の甲付近にある複雑な関節の損傷を指します。歩行すら困難な状態であることは想像に難くありません。初日から土付かずの4連勝と波に乗っていただけに、若き才能の離脱を惜しむファンは非常に多いようです。
相次ぐ実力者の離脱と過酷な土俵の現状
今場所は横綱・鶴竜関や大関・豪栄道関といった看板力士の休場が相次いでおり、十両以上の休場者はこれで7人に達しました。編集者の視点から見れば、現在の本場所がいかに過酷な消耗戦となっているかが浮き彫りになっています。特に栃ノ心関のようなベテランにとって、一度の怪我が選手生命を左右しかねない重みを持つことは、見守る側としても胸が締め付けられる思いがいたします。
相撲は単なるスポーツを超えた神事であり、力士たちは常に限界を超えたパワーでぶつかり合っています。しかし、これほどまでに怪我人が続出する現状には、巡業の過密日程や稽古の在り方について一考の余地があるのかもしれません。若手からベテランまで、万全のコンディションで土俵に上がることこそが、ファンの切なる願いであり、大相撲の伝統を守ることにも繋がるはずです。
栃ノ心関が見せる「怪力」と、その裏にある実直な努力を私たちは知っています。今はただ、焦らずに治療に専念し、再びあの圧倒的なパワーで観客を魅了してくれる日を待ちたいところです。若隆景関についても、これが初めての休場とのことですから、しっかりと治して将来の角界を背負って立つ存在へと成長してほしいと心から願わずにはいられません。
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