私たちの子供たちが健やかに成長できる環境は、今まさに大きな岐路に立たされています。2019年11月14日、権威ある英医学誌「ランセット」などは、地球温暖化が次世代の健康に及ぼす深刻なリスクをまとめた最新の報告書を発表しました。
この報告書は、これから誕生する世代が生涯を通じて、洪水や熱波といった生命を脅かす自然災害に直面し続ける可能性を指摘しています。SNS上では「子供たちに負の遺産を押し付けたくない」といった切実な不安や、環境対策の遅れを危惧する声が次々と上がっているようです。
温暖化の影響は、私たちの食卓にも暗い影を落とします。気温上昇に伴い、小麦や大豆、米といった主要作物の収穫量が減少に転じ、食品価格の高騰が避けられない見通しです。栄養学的な観点からも、最も脆弱な乳幼児が栄養不良に陥る危険性が強調されています。
忍び寄る感染症と大気汚染の恐怖
さらに深刻なのは、ウイルスや細菌が活動しやすい環境が整ってしまうことです。デング熱やコレラといった恐ろしい感染症が、気温上昇や降雨パターンの変化によって、これまで以上に広がりやすくなると専門家は警鐘を鳴らしています。
加えて、石炭などの化石燃料の使用による大気汚染も無視できません。2016年には微小粒子状物質である「PM2.5」の影響で、世界で290万人が命を落としたと推計されました。呼吸器が未発達な子供たちにとって、ぜんそくや心疾患の悪化は死活問題となるでしょう。
私は、この問題を単なる科学的な予測ではなく、倫理的な「権利の侵害」として捉えるべきだと考えます。大人たちの経済活動の代償を、何の責任もない子供たちが健康被害として支払わされる現状は、あまりにも不条理ではないでしょうか。
2020年から本格始動する「パリ協定」では、気温上昇を2度未満に抑える目標を掲げています。しかし、現在の各国の取り組みでは不十分であり、このままでは3度以上の過酷な上昇を招く恐れがあります。今こそ、社会全体で迅速な対策の強化が求められています。
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