二〇一九年五月二十八日、セガトイズから、玩具界の常識を揺るがすような、非常にユニークな新製品が発表されました。同年十月三十一日に発売が予定されているのは、なんと動物の「お産」をぬいぐるみで疑似体験できるという「夢ペット 産んじゃった」シリーズです。これは、単なる「お世話ごっこ」の枠を超えた、極めて大胆なコンセプトの玩具と言えるでしょう。
例えば「ねこ産んじゃった!」の場合、妊娠した設定の親猫の背中を優しくなでてお世話をすると、「にゃーにゃー」という愛らしい反応が返ってきます。それを根気よく続けるうちに、鳴き声が「ゴロゴロ」という音に変わり、出産の兆候が…。そのまま見守ると、なんとぬいぐるみから可愛い子猫のぬいぐるみが生まれてくるという仕掛けです。価格は各税別五千八百円で、猫、犬、ウサギの三種類が用意されています。
この「お産を体験する」という直接的なコンセプトは、二〇一九年の発表当時、SNS上でも「セガトイズ、攻めすぎでは?」「これぞ命の教育だ」「子供が生命の不思議に触れる良い機会」といった驚きと肯定的な意見が飛び交いました。もちろん、「三歳児には刺激が強いのでは?」といった戸惑いの声も見受けられましたが、それだけインパクトのある製品であることの証左でしょう。
私自身、この玩具は非常に意義深い挑戦だと感じています。セガトイズが狙うのは、幼児期から動物の生態に触れ、子供の知的好奇心を刺激することです。現代の都市生活では、動物が子供を産む瞬間を目の当たりにする機会はほとんどありません。もちろんこれは疑似体験ですが、「お世話(背中をなでる)」という愛情表現が「誕生」という結果に結びつくプロセスは、子供たちに「命」を身近に感じさせる素晴らしい仕掛けではないでしょうか。
対象年齢は三歳以上。これは単なるぬいぐるみではなく、「命が生まれる」という感動(たとえそれがギミックであっても)を親子で共有し、コミュニケーションを生むきっかけとなる玩具です。ペットが家族に加わる喜びをシミュレートすることで、子供たちの優しい心を育む。セガトイズのこの意欲的な試みは、玩具の可能性をまた一つ広げたと言えそうです。
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