教員の働き方改革が加速!「改正給特法」成立で2021年4月から変形労働時間制が導入へ:現場の懸念と期待の行方

教育現場の未来を左右する大きな転換点が訪れました。2019年12月04日の参議院本会議において、自民・公明両党などの賛成多数により、改正教職員給与特別措置法、通称「給特法」が正式に可決、成立したのです。今回の法改正の目玉は、教員の勤務時間を年単位で柔軟に調整できる「変形労働時間制」の導入を可能にした点にあります。これまで労働基準法の枠外に置かれていた教員の世界に、新たな風が吹き込もうとしています。

具体的には、2021年04月01日から各自治体の判断によって、この新しい制度をスタートさせることが可能になります。変形労働時間制とは、繁忙期に勤務時間を延長する代わりに、夏休みなどの閑散期に休日をまとめて取得する仕組みのことです。通常は1日8時間と定められている労働時間を、平均して週40時間を超えない範囲であれば、4月などの多忙な時期に上乗せして設定できるようになり、その分を8月の休暇として還元する狙いがあります。

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ガイドラインの格上げと多忙な現場を支える総合施策

文部科学省が描く理想のスケジュールでは、4月などの繁忙期に週3時間ほど勤務を増やす代わりに、夏休みの8月に5日程度の休日を確保することが想定されています。さらに、これまで努力目標に過ぎなかった「月45時間、年360時間」という残業時間の上限ガイドラインが、文部科学大臣の定める法的根拠のある「指針」へと格上げされることになりました。これにより、形式的な時間管理ではなく、実効性のある労働抑制が期待されています。

また、制度の導入を支えるために、部活動指導員といった外部人材の積極的な登用も総合的に進められる方針です。教員が本来の業務である授業準備や児童・生徒への向き合いに集中できるよう、業務の切り分けを加速させる姿勢が鮮明になっています。しかし、SNS上では「夏休みといっても部活動や研修で埋まっているのが現実だ」「休みが取れる保証はどこにあるのか」といった、現場の実態との乖離を指摘する厳しい声が数多く上がっているのも事実です。

「隠れ残業」への懸念と真の働き方改革への課題

今回の改正に対しては、現場の教諭から切実な反対の声も寄せられています。インターネットで署名活動を行っている教員からは、4月や5月の極度の疲労を数ヶ月後の8月に癒やすという考え方自体が、身体的・精神的な限界を超えかねないという指摘があります。所定の勤務時間が長くなることで、書類上の残業時間が減少したように見える「見かけだけの働き方改革」になってしまうリスクを、多くの教育関係者が危惧しているようです。

私自身の意見としては、制度の枠組みを変えるだけでなく、教員が抱える絶対的な業務量をいかに削減するかが鍵だと考えます。変形労働時間制が単なる長時間労働の正当化に使われるのではなく、デジタル化や校務の効率化とセットで運用されるべきでしょう。子供たちの健やかな成長を支える先生たちが、心身ともに健康で情熱を持って教壇に立ち続けられる環境こそが、今の日本の教育界に最も求められているはずですから。

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