働くシニアの意欲を削ぐ?「在職老齢年金」見直しの混迷と、不公平感が拭えない収入格差の真実

2019年12月06日、公的年金制度の在り方を巡り、働く意欲を持つ高齢者の足かせとなっている「在職老齢年金」の見直し議論が大きな局面を迎えています。厚生労働省は当初、この制度の撤廃を視野に入れて検討を開始しましたが、高所得層への過剰な優遇につながるという強い反発に直面し、方針は事実上の頓挫を余儀なくされました。

そもそも「在職老齢年金」とは、60歳以降も働き続けて一定以上の給与を得ている場合、受け取れる厚生年金の額がカットされてしまう仕組みを指します。SNS上では「せっかく働いても年金を削られるなら、仕事をセーブした方がマシだ」といった現役世代からの悲鳴にも似た意見が相次いでおり、就労意欲を阻害する「働き損」の象徴として批判の的となっているのです。

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不動産収入は不問?制度に潜む「公平性」の落とし穴

今回の議論で特に注目すべきは、年金カットの判定基準が「賃金と厚生年金」のみに限定されている点でしょう。つまり、汗水垂らして働いて得た給与は減額の対象になりますが、一方で多額の家賃収入がある大家さんや、株式の配当金で潤う資産家については、どれほど高額な副収入があっても年金が満額支給されるという歪な構造が放置されているのです。

こうした資産収入が考慮されない仕組みは、労働という社会貢献を行う高齢者ほど損をするという矛盾を孕んでいます。税制と一体化した抜本的な議論が行われないままでは、真の意味で公平な制度設計とは呼べないはずです。私個人の見解としても、深刻な人手不足が加速する現代において、働くシニアを応援しない今の制度は時代に逆行していると感じてなりません。

政府には、目先の財源確保や一部の批判に左右されるのではなく、あらゆる種類の所得をフラットに評価する税制改革を含めた包括的なアプローチを期待したいところです。多様な生き方が尊重される令和の時代だからこそ、誰もが納得感を持って働ける「全世代型社会保障」の構築が、2019年12月06日現在の日本にとって最も急がれる課題といえるでしょう。

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