そば好きの皆さんに、驚きのニュースが飛び込んできました。2019年12月6日現在、そば粉の原料となる「玄ソバ」の流通価格が、前年に比べて4割も下落するという異例の事態を迎えています。2018年産が深刻な品薄で高騰していた反動もあり、東京市場では5年ぶりの安値水準を記録しました。
SNS上では「今年の年越しそばは安くなるの?」「立ち食いそばのトッピングが増えるかも!」といった期待の声が上がる一方で、仕入れ価格の変動に一喜一憂する飲食店関係者の複雑な胸中も垣間見えます。この価格急落の背景には、国内最大の産地である北海道での収穫量の大幅な回復があるようです。
北海道の恵みが復活!2019年産の収穫量は前年比6割増の勢い
価格下落の最大の要因は、ソバの聖地・北海道の豊作です。2018年産は長雨や日照不足で不作に泣きましたが、2019年産は一転して天候に恵まれました。10アール(約1,000平方メートル)あたりの収穫量は、前年を約6割も上回る70キログラムから80キログラムに達する見通しです。
特に作付面積の広い上川・空知管内では、夏場の豪雨を乗り越え、その後は安定した天候が続きました。空知地方のJA担当者も、収穫量が前年の2倍近くまで伸びたと手応えを感じているようです。広大な大地で育まれた新ソバが市場に溢れることで、卸値は45キログラムあたり1万2500円前後まで落ち着いています。
編集部としては、自然の猛威に左右される農業の難しさを改めて痛感します。2018年の高騰時は消費者も財布の紐を締めざるを得ませんでしたが、2019年のこの豊かな実りは、日本の食文化を支える大きな「福」となるのではないでしょうか。
外食業界の苦悩と「玄ソバ」価格が反映されない舞台裏
しかし、原料が安くなったからといって、すぐに街のそばが値下げされるわけではありません。実は2019年の大型連休や長引いた梅雨の影響で、外食チェーンの客足は伸び悩んでいました。消費者の在庫が余っていることも、今回の価格下落に拍車をかけたという側面があるのです。
ここで解説ですが、「玄ソバ」とは収穫されたままの殻が付いた状態の実を指します。これを製粉して初めて「そば粉」になりますが、製粉会社は人件費や物流コストの上昇に直面しています。そのため、原料安でもそば粉の価格は据え置かれるケースが多く、店頭価格への反映は限定的になりそうです。
さらに、関東地方では台風被害により地場産のソバが不作という地域差も出ています。神田の老舗店主が語るように、北海道産が安くてもトータルの仕入れコストは下がらないという現実があります。私たちは安易な値下げを求めるのではなく、高品質なそばを維持する店側の努力を応援したいものですね。
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