2019年12月11日、政府は年金制度改革の大きな柱として「在職老齢年金制度」の見直し案を固めました。この制度は、一定以上の給与所得がある高齢者の年金をカットする仕組みですが、今回の改定案では特に60歳から64歳の方々が減額の対象になりにくく調整されています。当初は制度そのものの全面廃止も検討されていましたが、最終的には特定の層に絞った緩和策に落ち着いた形です。
今回の見直しによって、働く意欲を持つシニア層が経済的な不利益を被るケースは確かに減少するでしょう。しかし、この方針に対してSNSや世論からは「特定の世代だけが恩恵を受けるのは不公平ではないか」といった疑問の声が相次いでいます。若年層や将来の受給世代からは、社会保障費が膨らむ中で一部の層を優遇することへの不信感も漏れており、公平性の確保という点では大きな課題を残しました。
就業促進への疑問と「公平性」という名の壁
そもそも在職老齢年金とは、働いて賃金を得ている高齢者の厚生年金を、収入額に応じて一部または全額停止するルールのことです。政府はこの「年金が減るから働くのを控える」というブレーキを外すことで、労働力不足の解消を狙っています。しかし、一部の専門家からは、制度の一部緩和だけで本当に高齢者の就業が劇的に促進されるのか、その実効性について懐疑的な意見が上がっているのが現状です。
私個人の見解としては、働くこと自体が損になるような現行の仕組みを是正する方向性には賛成です。ですが、特定の年代だけを優遇するパッチワークのような修正では、世代間の対立を深めるリスクがあります。全世代が納得できる透明性の高い議論こそが、今の日本には必要ではないでしょうか。制度を複雑にするのではなく、誰もが長く健康に働ける環境作りとセットで議論されるべきだと強く感じます。
コメント