インドの自動車市場が、かつてない試練の時を迎えています。2019年10月までで新車販売が12ヶ月連続の前年割れを記録し、金融機関による融資の引き締めが追い打ちをかける中、現地シェア首位のスズキが驚異的な新型車ラッシュを仕掛けているのをご存知でしょうか。長引く不況を打破するために同社が放ったのは、市場のトレンドを的確に捉えた戦略的なラインナップです。SNS上でも「インドでのスズキの底力が試されている」「新型車がどれも魅力的」といった熱い視線が注がれています。
その急先鋒となるのが、2019年9月に投入された新型小型SUV「エスプレッソ」です。全長3.6メートルという驚くほどコンパクトなボディでありながら、車高を高く設定することで、SUVらしい力強さと広々とした室内空間を両立させています。1リットルエンジンを搭載し、手動変速機のほか、クラッチ操作を自動化した「AGS(オートギアシフト)」を選択できる点も大きな特徴でしょう。都市部での取り回しの良さとSUVのワクワク感を両立させたこの一台は、世界的なSUVブームを背景に、専門家からも高く評価されています。
高級路線とテクノロジーで新たな顧客層を開拓
スズキの戦略は、単なる大衆車に留まりません。2019年8月には、上級ミニバン「XL6」の予約販売を開始し、エグゼクティブ層の取り込みを本格化させています。本革シートを採用した漆黒のインテリアは、まさにプレミアムな風格を漂わせており、法人の送迎需要にも十分応えられる仕上がりといえるでしょう。特筆すべきは、最新の「コネクテッドシステム」の搭載です。これは、車をインターネットに繋ぐことで利便性を高める技術で、スマホ連携により車内でエンタメを自在に楽しめる時代がインドにも到来しています。
さらに、2020年初頭には伝説の四輪駆動車「ジプシー」の後継モデルが登場する予定です。かつて1985年に誕生し、インドの悪路を支え続けてきた名車の血統が、日本で大人気の「ジムニーシエラ」をベースに最新の安全装備を纏って復活します。私個人の見解としては、この「守りの小型車」から「攻めの付加価値戦略」への転換こそが、今のインド市場に最も必要なカンフル剤だと確信しています。困難な状況下で、あえて投資を加速させるスズキの不屈の精神は、必ずや市場に活気を取り戻してくれるはずです。
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