岩手県盛岡市に拠点を置く医療系IT企業のセルスペクトが、ビジネスシーンに劇的な変化をもたらす新サービスを始動させました。この試みは、企業の社員を対象に健康チェックを「完全無料」で提供するという、これまでの常識を覆す大胆な仕組みになっています。
2019年11月に北日本銀行および同行の健康保険組合と連携協定を締結したことを皮切りに、今後は研修会場などで手軽に検査が受けられるブースを展開する予定です。仕事の合間に健康状態を把握できるこの取り組みは、忙しい現役世代にとって大きな救世主となるでしょう。
SNS上では「会社でタダで検査できるなら受けてみたい」「病院に行く手間が省けるのは助かる」といった、利便性の高さを歓迎する声が多く上がっています。自己負担なしで専門的なチェックが受けられるという付加価値は、福利厚生の面でも非常に強力な魅力となります。
微量の血液で未来を予測!独自の小型分析装置が叶える健康管理
このサービスの中核を担うのは、同社が独自に開発した持ち運び可能な小型分析装置です。指先からのわずかな採血だけで、肝機能の状態を示す指標であるGGTや血糖値など、計7項目の数値を迅速に測定できる性能を誇ります。
ここで「GGT」という専門用語について触れておきましょう。これはガンマ・グルタミルトランスフェラーゼの略称で、主に肝臓や胆道に異常がある際に数値が上昇する酵素のことです。お酒の飲み過ぎや脂肪肝のチェックには欠かせない、重要なバロメーターと言えます。
検査ブースには医師の資格を持つスタッフも常駐し、その場で結果に基づいたアドバイスが行われます。数値に異常が見られた場合には、速やかに医療機関への受診を促す仕組みが整っており、病気の早期発見・早期治療に向けた「入り口」としての役割を果たしているのです。
ビッグデータが描く「三方よし」のビジネスモデル
セルスペクトが検査費用を全額負担できる理由は、蓄積されたデータを匿名化して収益化する画期的な事業モデルにあります。同意を得たユーザーから得られる血液データと生活習慣のアンケートを組み合わせることで、精度の高い「ビッグデータ」を構築します。
このデータは、特定のターゲットに絞った新薬の開発や、個々の健康リスクに応じて保険料が変動する革新的な保険商品の設計に活用される見込みです。2019年12月3日現在の構想では、3年後を目処に70億円から100億円規模の売上を目指すという壮大な計画です。
岩渕拓也社長は、病気の早期発見が医療費の削減に繋がり、企業・組合・自社の三者が「ウィンウィン」の関係になれると確信しています。私個人の見解としても、情報という「21世紀の石油」を賢く循環させるこのモデルは、日本の医療持続性を高める素晴らしい一石だと感じます。
2019年現在、多くの地方企業が「健康経営」への関心を高めていますが、具体的な手法に悩むケースも少なくありません。セルスペクトの挑戦は、コストをかけずに社員の活力を維持したい企業にとって、まさに理想的なソリューションとして浸透していくでしょう。
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