【2019年最新】中国で日本製中古工作機械の争奪戦が勃発?ユーマシンの上海進出が示す製造業の劇的変化

製造現場の「母なる機械」とも呼ばれ、あらゆる製品づくりの土台となる工作機械。今、この分野で日本が誇る高品質な中古マシンが、中国市場で熱い視線を浴びています。三菱UFJリースの傘下で中古機械商社の国内大手であるユーマシン(名古屋市)は、2019年12月13日までに、中国での中古工作機械売買に本格参入することを決定しました。これまでは日本からの出張ベースで対応してきましたが、上海市に現地法人を設立し、より迅速で細やかなサービスを提供できる体制を整えたのです。

この戦略的な動きの背景には、中国国内における日系企業の劇的な構造変化が存在します。経済産業省の調査によれば、中国に進出した日系製造業の拠点数は2017年度時点で3859社にのぼりますが、近年は撤退や解散を選択する企業が年間100社を超えるペースで推移しています。2019年現在は、人件費の高騰や環境規制の強化に加え、長期化する米中貿易摩擦が追い打ちをかけている状況です。生産拠点を東南アジアへ移転させる「チャイナ・プラス・ワン」の動きが加速し、現地には良質な日本製機械が余剰在庫として積み上がっています。

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「中国製造2025」が後押しする日本製マシンの圧倒的需要

一方で、中国政府が掲げる産業振興策「中国製造2025」により、現地メーカーの設備投資意欲は衰えるどころか、ますます高度化しています。次世代ITやロボット、電気自動車(EV)といった重点分野の育成には、極めて精度の高い加工能力が求められるためです。新品を導入するにはコストや納期が課題となりますが、耐久性と精度に定評のある日本製の「中古」であれば、即戦力として喉から手が出るほど欲しいというニーズが渦巻いています。SNSでも「日本の中古は整備さえすれば新品同様に動く」と、その信頼性を評価する声が絶えません。

ユーマシンの柴田公治社長は、巨大な中国市場のうち約1割が中古機械によって占められていると分析しています。同社は年間7000台以上の取扱実績を誇り、単なる売買に留まらず、高度な技術を要する機械の撤去や移設、再設置までを一貫して請け負うのが強みです。2018年3月期の売上高は約100億円という規模ですが、今回の上海進出を足がかりに、2029年3月期には中国単独で150億円の売り上げを目指すという極めて野心的な目標を掲げており、その本気度が伺えます。

筆者の視点から見れば、このユーマシンの挑戦は、単なるビジネスの拡大以上の意味を持っていると感じます。日系企業の撤退という一見ネガティブな事象を、中古機械の流通という新たな「循環型ビジネス」へ転換させる発想は、今の時代に非常にマッチしています。かつて日本が世界の工場として君臨した時代の遺産が、形を変えてアジアの次世代産業を支える礎となる。こうしたダイナミックな産業の新陳代謝を支える日本のプロフェッショナリズムには、今後も大きな期待が寄せられることでしょう。

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