北海道の空の玄関口が、今まさに歴史的な転換点を迎えようとしています。みずほ銀行と三井住友銀行を中心とする金融団は、2019年12月14日までに、道内7つの空港を一括して民営化する事業に対し、総額3600億円を超える大規模な協調融資を決定しました。この融資には全国から46もの金融機関が名を連ねており、インフラ事業を対象とした「プロジェクトファイナンス」としては、国内でも最大級の記録的なスケールとなります。
今回の仕組みで注目すべきは、特定の事業から生み出される収益を返済の原資とするプロジェクトファイナンスという手法が採用された点でしょう。これは企業の信用力ではなく、空港運営そのものの将来性を評価した融資形態です。SNS上でも「これほどの巨額資金が動くとは、北海道のポテンシャルへの期待値が高い証拠だ」といった、驚きと期待が入り混じった声が数多く寄せられており、道内外からの関心の高さがうかがえます。
コンセッション方式が切り拓く北海道観光の新時代
このプロジェクトの鍵を握るのは「コンセッション方式」という運営スタイルです。これは、空港施設の所有権を国や自治体が保持したまま、運営権だけを民間企業に売却する仕組みを指します。今回は、三菱地所や北海道空港など地元企業を含む17社が出資して設立された「北海道エアポート」が、2049年10月31日までの約30年間にわたり舵取りを担うことになりました。民間ならではの柔軟な発想が、空港サービスの質を劇的に向上させるはずです。
対象となるのは、国が管理する新千歳、稚内、釧路、函館に加え、自治体管理の旭川、帯広、女満別という、役割も規模も異なる7つの空港です。これらを一体的に運営する試みは全国で初めてのケースであり、広大な北海道全域の観光ネットワークを再構築する大きなチャンスと言えるでしょう。2020年06月01日の新千歳空港を皮切りに、各空港で順次、民間による新しいサービスや経営がスタートする予定となっています。
融資団にはメガバンクだけでなく、北洋銀行や北海道銀行といった地元の有力行、さらには道内すべての信用金庫が参加している点も見逃せません。地域金融機関が一丸となってサポートする体制からは、この事業を単なるビジネスではなく、北海道全体の活性化につなげようという強い意志が感じられます。30年という長期の返済期間は、じっくりと腰を据えて北の空の未来を育てていくという、銀行側の覚悟の現れとも受け取れるでしょう。
編集者としての私見ですが、今回の取り組みは単なる経営主体の変更に留まらず、北海道の観光競争力を世界レベルに引き上げる起爆剤になると確信しています。複数の空港が連携することで、到着した空港とは別の空港から帰る「周遊型観光」の促進も期待できるはずです。雪国特有の維持管理コストという課題はありますが、民間のノウハウで効率化を進めれば、北海道はアジアを代表する一大リゾート地として、さらなる飛躍を遂げるに違いありません。
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