アメリカの経済が、住宅市場の活況によって新たな局面を迎えています。2019年12月6日現在、現地の家庭向け住宅ローン残高が急増しており、ついに過去最高の水準へと達しました。この背景には、歴史的な低金利政策が継続していることが挙げられ、多くの人々がマイホームの購入に意欲を見せています。景気拡大を支える大きな原動力となっているのは、まさにこの活発な住宅需要だと言えるでしょう。
今回の残高更新において特筆すべきは、2008年の世界金融危機、いわゆる「リーマン・ショック」時の水準を上回ったという点です。当時は返済能力の低い層への貸し出し(サブプライムローン)が問題視されましたが、現在は借り手の信用力や健全性が当時よりも格段に改善しています。金融機関の審査も厳格化されており、かつてのバブル期とは性質が異なると考えられます。
しかし、楽観視できない側面も存在します。現在のように家計の負債が膨張し続ける状況は、将来的な景気後退の火種になりかねません。SNS上では「ローン金利が低い今のうちに借り換えをすべきだ」という前向きな意見が見られる一方で、「将来の金利上昇局面で返済が滞る家庭が増えるのではないか」といった、家計の債務負担増を懸念する声も多く上がっています。
金利の低下が追い風となってきた米国の住宅市場ですが、短期的には金利が下げ止まる兆しも見え始めています。もし借入コストが増大に転じれば、これまでの勢いが失速するリスクは避けられないでしょう。家計の健全性が高いとはいえ、膨らみすぎた負債が消費を圧迫する可能性を常に考慮する必要があります。
私個人の見解としては、現在の住宅市場は「成熟と警戒」が同居する時期にあると感じます。確かに金融システムの安定性は増していますが、家計の債務が過去最高である事実に変わりはありません。好景気に浮かれることなく、将来の金利変動を見据えた慎重な資金計画が、借り手側にも貸し手側にも求められているのではないでしょうか。
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