北海道経済の行方は?2020年度成長率予測から読み解く設備投資と消費の課題

北海道を拠点とする大手地方銀行の北洋銀行と北海道銀行は、2019年12月6日までに、2020年度の道内経済成長率に関する予測をそれぞれ公表しました。実質ベースでの数値によれば、北洋銀行が0.5%増、北海道銀行が0.3%増と、いずれも4年連続のプラス成長を維持する見通しです。しかし、2019年度の予測値と比較すると、その勢いにはやや陰りが見え、成長の歩みは緩やかになることが予想されます。

実質経済成長率とは、物価の変動による影響を取り除き、純粋に国内(あるいは域内)で生産されたモノやサービスの価値がどれだけ増えたかを示す指標のことです。北洋銀行は2019年度の成長率を0.8%増、北海道銀行は0.7%増と見積もっていましたが、2020年度はそれらを下回る結果となりました。この数字から、道内経済が緩やかな回復基調にある一方で、慎重な姿勢を崩せない状況が見て取れるでしょう。

SNS上では、この発表を受けて「プラス成長なのは安心だが、実感としては厳しい」といった声や、「増税後の家計への影響がやはり大きいのではないか」という不安の声が挙がっています。地元経済の先行きに対して、道民の関心は非常に高いようです。編集者の視点としても、数字上の成長以上に、私たちの暮らしに直結する消費の冷え込みが今後の大きな鍵を握ると分析しています。

スポンサーリンク

設備投資と公共事業が経済を支える柱に

2020年度の経済を力強く牽引するのは、企業の設備投資と公共投資であると考えられます。設備投資の予測に目を向けると、北洋銀行は2.8%増、北海道銀行は3.3%増と、非常に高い伸びを期待しています。これは、道内の企業が将来の成長を見据えて、生産能力の向上や効率化に向けた投資を積極的に行う姿勢の表れと言えるでしょう。

また、公共投資についても堅調な推移が見込まれています。北洋銀行は0.1%増、北海道銀行は0.4%増を予測しており、これには2018年に発生した北海道胆振東部地震からの復旧・復興工事が大きく寄与しています。さらに、近年激甚化する自然災害に備えるための「防災・減災対策」に関連する予算も、道内経済の下支え役として期待されているのが現状です。

消費増税の影と個人消費の鈍化という壁

一方で、経済成長の足を引っ張る懸念材料として浮上しているのが、個人消費の伸び悩みです。北洋銀行は0.1%増、北海道銀行は0.2%増と、極めてわずかな増加に留まると分析しています。2019年10月の消費税率引き上げに伴い、人々の間で節約志向が一段と強まっていることが、消費の勢いを削ぐ主要な要因となっているようです。

追い打ちをかけるように、政府が実施しているキャッシュレス決済によるポイント還元事業などの増税対策も、2020年6月には終了を迎えます。こうした支援策がなくなることで、買い控えがさらに加速し、景気を抑制するリスクが指摘されています。インフラ整備や企業投資が盛んになる一方で、個人の財布の紐が固いままでは、本当の意味での経済活性化は遠いかもしれません。

私個人としては、今回の予測値は非常に現実的なラインだと感じています。設備投資による産業の近代化は喜ばしいことですが、それが賃金上昇などの形で家計に還元されなければ、消費の回復は望めません。行政や企業には、単なる復旧にとどまらない、道民が将来に希望を持てるような積極的な経済循環の仕組みづくりを期待したいところです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました