2020年の東京五輪・パラリンピックを目前に控え、リビングの主役である大型テレビの市場が熱狂的な盛り上がりを見せています。驚くべきことに、55型以上の液晶や高画質な有機ELテレビの店頭価格が、2019年夏頃と比較して10%から15%も値下がりしているのです。
家電量販店の店頭では、五輪特需を狙ったメーカー同士の激しいシェア争いが繰り広げられており、消費者にとっては嬉しい悲鳴が上がっています。SNS上でも「憧れの55型が予算内で買えるようになった」「増税後なのに夏より安い」といった驚きの声が相次いでいます。
具体的に人気モデルの動きを見てみると、ソニーの「KJ-55X9500G」は2019年7月末に21万円を超えていましたが、2019年12月17日現在は18万円台にまで続落しました。東芝の「55Z730X」も同様に、数ヶ月で3万円近い大幅なプライスダウンを記録しています。
さらに、圧倒的な黒の表現力が魅力の「有機ELテレビ」も手の届きやすい存在になりました。パナソニックの最上位機種「TH-55GZ2000」は、40万円台から35万円前後へと一気に値を下げており、プレミアムモデルを狙っていた層からも熱い視線が注がれています。
液晶パネルの供給過剰がもたらす「大型化」の恩恵
なぜこれほどまでに価格が下がっているのでしょうか。大きな要因は、テレビの心臓部である液晶パネルの供給過剰にあります。特に中国メーカーが増産に踏み切ったことで、55型パネルの価格はこの1年で3割以上も下落し、それが店頭価格に直結した形です。
ここで専門用語の解説ですが、パネル流通の主流は「オープンセル」と呼ばれる形態です。これはバックライトなどが付いていない半製品の状態を指し、この卸売価格が下がることで、メーカーはより安くテレビを製造し、私たちに提供できる仕組みとなっています。
調査会社によれば、2019年10月の消費増税による買い控えを打破するため、各社が戦略的に価格を下げている側面もあるようです。生産効率の向上によって「1インチあたりの単価」も下がっており、大画面への買い替えは今がまさに絶好のチャンスと言えるでしょう。
編集者の視点からお伝えすると、この値下げラッシュはまさに「五輪前のボーナスタイム」です。4K放送の普及に加え、地デジ化から約10年という買い替えサイクルが重なる今、無理だと思っていたサイズに手が届くのは、ファンにとって最大の恩恵ではないでしょうか。
ただし、パネル価格の下落にも底打ちの兆しが見え始めています。2019年11月には主要なパネル価格が1年ぶりに横ばいとなり、2020年1月以降は値上がりに転じる可能性も示唆されています。安値が続く今こそ、決断のタイミングとして見逃せない時期となりそうです。
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