千葉ロッテマリーンズが、スタジアムの熱狂をデジタル技術でさらに加速させようとしています。プロ野球界でも先鋭的な取り組みとして、球団公式ウェブサイトを訪れるファンの行動データを詳細に分析する、新たなマーケティング戦略を本格始動させました。
2019年12月19日、球団はITサービスのビービット社が提供する分析ツール「ユーザグラム」の導入を発表しました。これは、ユーザーがどのような経路でサイトに辿り着き、どのページをどれくらいの時間眺めたかといった「足跡」を可視化する画期的な仕組みです。
ライトファンの「迷い」を解消するデータ分析の魔法
データ分析と聞くと難しく感じますが、要は「ファンの心に寄り添うこと」に他なりません。例えば、チケット購入ページを何度も行き来している人は、操作方法に戸惑っている可能性があります。こうした小さなストレスを特定し、サイト設計を改善するのが狙いです。
これまでの球団サイトは、ルールを熟知したコアなファン向けの内容に偏りがちでした。しかし、今回の取り組みでは観戦経験の少ない「ライトファン」を主役として捉えています。誰にでも分かりやすい導線を作ることで、ファン層の裾野を広げる決意が伺えますね。
SNS上でもこの試みは大きな注目を集めており、「チケットがもっと買いやすくなれば嬉しい」「球団が自分たちの動きを見てくれているようで心強い」といった、ポジティブな期待の声が続々と上がっています。まさにデジタルがファンと球団の距離を縮めています。
パーソナライズされた体験がもたらす驚きの成果
実は、データ活用の成果はすでに現れ始めています。2019年シーズンに試験導入された「マーケティングオートメーション(MA)」、つまり個々の状況に合わせて自動で最適な情報を届ける仕組みが、驚異的な数字を叩き出したのです。
具体的には、招待券を使い忘れているファンに期限前のリマインドメールを送ったところ、利用率が前年より30%以上も向上しました。こうした「痒いところに手が届く」おもてなしは、忙しい現代のファンにとって非常に価値のあるサービスと言えるでしょう。
私自身の見解としても、スポーツビジネスにおいて「データの可視化」は不可欠な時代に突入したと感じます。単なる商売道具としてではなく、ファンが「次も球場へ行きたい」と思えるきっかけを、適切なタイミングで提示できることこそが最大の魅力です。
2020年シーズン、さらに進化する「推し」へのアプローチ
2020年シーズンに向けて、ロッテの戦略はさらに深化します。休日に来場することが多い人にはイベント情報を、特定の曜日に現れる人には次回の開催日を案内するなど、個人のライフスタイルに合わせたきめ細やかな提案が行われる予定です。
さらに、2019年10月から始まった「お気に入り選手登録」機能も大きな鍵を握ります。いわゆる「BI(ビジネスインテリジェンス)」、蓄積された膨大なデータを分析し意思決定に役立てる手法を用いて、推し選手のグッズ情報などが届くようになります。
予告先発に合わせてチケットの案内が届くなど、ファンの熱量が高まる瞬間を逃さないこの戦略は、球界に新たな風を吹き込むに違いありません。データの力でスタジアムが満員になる。そんな未来が、すぐそこまで来ていることを予感させます。
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