日本の商社界を牽引する三菱商事は、来る2020年1月1日に向けた最新の組織体制を発表しました。今回の人事異動で最も注目を集めているのは、自動車事業の最前線に立つ田中伸和氏の抜擢です。同氏は「自動車北アジア」および「自動車アセアン」という、経済成長が著しい二大拠点を同時に統括する重責を担うことになりました。
自動車産業は今、100年に一度と言われる大変革期の真っ只中にあります。特にアジア圏は、三菱グループにとって強固な販売網を誇る「聖域」とも呼べる市場です。今回の人事は、現地ニーズの深掘りと迅速な意思決定を狙った戦略的な配置であると考えられます。ネット上でも、実力派として知られる田中氏の就任に、期待を寄せる声が数多く上がっています。
グローバル戦略の鍵を握るアセアンと北アジアの融合
ここで専門用語について触れておきましょう。「アセアン(ASEAN)」とは東南アジア諸国連合を指し、タイやインドネシアなど、自動車需要が爆発的に伸びている地域です。三菱商事は長年、これらの国々で製造から販売までを一貫して手がけるバリューチェーンを構築してきました。一方の北アジアは、技術革新が加速する中国市場などを含む重要エリアです。
私の個人的な見解ですが、この広大な二つのエリアを一人のリーダーが指揮する意味は非常に大きいと感じます。地域ごとの個別の戦略も大切ですが、アジア全体を俯瞰したダイナミックな物流や投資判断が、これからの競争力を左右するからです。田中氏のリーダーシップによって、三菱の自動車事業がどのような進化を遂げるのか、目が離せません。
2019年12月21日の発表を受け、社内外では早くも新体制への移行準備が進められています。2020年1月1日からスタートするこの新しい布陣は、単なる管理職の交代ではなく、三菱商事がグローバル市場でさらなる飛躍を遂げるための決意表明とも言えるでしょう。次世代のモビリティ社会を支える、同社の攻めの姿勢に今後も注目が集まりそうです。
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