日本のテクノロジー業界を牽引するソニーが、2019年12月20日に驚きの財務ニュースを世に送り出しました。同社は、2020年3月期の連結営業利益において、およそ180億円という巨額の利益を追加計上する見通しであると発表したのです。この利益の源泉は、不動産テック事業を手がける子会社、SREホールディングスの株式売却にあります。
SREホールディングスは、2019年12月19日に東京証券取引所マザーズ市場への新規上場を果たしました。これまでソニーはこの会社の株式を56.29%保有していましたが、上場に合わせた売り出しによって保有比率を44.47%まで引き下げています。これにより、同社はソニーの完全な支配下にある「子会社」から、一定の影響力を持つ「持分法適用会社」へと形を変えました。
ここで注目すべきは、単に株を売った代金が手に入るだけではないという点でしょう。「持分法適用会社」とは、親会社が20%から50%の議決権を持ち、経営に重要な影響を与えられる企業のことを指します。この形態に移行したことで、売却益の計上だけでなく、手元に残った株式の価値を市場価格で捉え直す「再評価益」が発生し、今回の180億円という数字が弾き出されたのです。
SNS上では「ソニーの資産運用の巧みさが際立っている」といった称賛の声や、「不動産テックという成長分野を切り離しつつ利益も確保する手法は鮮やかだ」といった驚きが広がっています。本業のエレクトロニクスやエンターテインメント以外でも、投資育成した企業を市場へ放つことで価値を最大化させる姿勢は、まさに現代的なポートフォリオ経営の模範と言えるのではないでしょうか。
減益予想を跳ね返すか?今後の業績への期待感
ソニーは2020年3月期の通期営業利益について、前期と比べて6%減となる8400億円を当初から予想していました。今回の180億円の上乗せはこの減益幅を補う追い風になりますが、会社側は「他の要因と合わせて精査が必要」として、現時点では業績予想の修正を行っていません。慎重な姿勢を崩さない点に、経営陣の規律の高さが伺えます。
個人的な見解を述べさせていただくと、今回の動きはソニーが単なるメーカーから「高収益な投資家」の側面も持つハイブリッド企業へ進化した証左だと感じます。潤沢なキャッシュを生み出し、それを次なる成長分野へ再投資する循環が確立されています。投資家にとっても、この柔軟な資本政策は長期的な信頼を勝ち取る大きな要因になるはずです。
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