私たちの社会が直面している、目を背けてはならない深刻な現実が浮き彫りとなりました。厚生労働省が2019年12月20日に発表した最新の調査結果によると、2018年度に障害者の方々が家族や福祉施設の職員から受けた虐待は2204件に達し、被害に遭われた方は2403人に上ることが判明したのです。
この数字は、前年度から167人も増加しており、調査が開始された2012年度以降で過去最多を更新しています。SNS上では「氷山の一角ではないか」「もっと早く助けを求められる環境が必要だ」といった、現状を危惧する切実な声が次々と寄せられており、社会全体での早急な対策を求める機運がかつてないほど高まっています。
施設や家庭に潜む虐待の実態と背景
具体的な内訳を覗くと、福祉施設などの職員による虐待は592件報告されており、被害者は777人に及びます。驚くべきことに、その過半数を超える52%が身体的な暴力や身体拘束といった過酷な被害を受けていました。加害者の多くは、日常的に最も身近でケアを行う立場にある生活支援員であることが報告されています。
一方で、最も安心できるはずの場所である「家庭」での虐待も深刻な状況です。家族らによる虐待は1612件発生しており、被害者は1626人に上りました。ここでは身体的虐待だけでなく、本人の大切な財産である障害年金を勝手に使ってしまう「経済的虐待」が21%も占めている点は、家庭内特有の根深い問題といえるでしょう。
虐待を受けた方の属性を見ると、施設では75%、家庭では53%が知的障害を持つ方々でした。自分の意思を言葉で十分に伝えにくい方々が標的となっている現実は、非常に痛ましいものです。施設においては、尊い命が失われるという最悪の事態も2件発生しており、現場の過酷な労働環境や教育不足が影を落としています。
早期発見の兆しと編集者としての提言
ただ、今回の結果は悲観的な側面だけではありません。自治体への相談や通報の件数が7936件と過去最多になったことは、社会の「感度」が高まっている証拠でもあります。厚労省は、警察との連携や施設側の意識向上により、虐待が深刻化する前の「軽微な段階」で拾い上げることができていると分析しており、これは一筋の光といえます。
編集者として私は、虐待の背景にある「支援者の孤立」を放置してはならないと考えます。家族や職員を単に糾弾するだけでは、密室での悲劇はなくなりません。介護の負担を社会全体で分かち合い、心の余裕を持てる仕組みを作ることこそが、虐待を未然に防ぐ唯一の道ではないでしょうか。一人一人の尊厳を守るため、私たちはこの数字を重く受け止めるべきです。
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