【2019年最新】世界の鉄鋼市場に異変?粗鋼生産3カ月連続減の衝撃と中国独走の背景を徹底解説

2019年12月23日、世界鉄鋼協会が発表した最新データにより、世界の鉄鋼業界に冷ややかな風が吹き抜けていることが明らかになりました。調査対象となった世界64カ国・地域における2019年11月の粗鋼生産量は、前年の同じ時期と比べて1%減少の1億4779万トンにとどまっています。これで3カ月連続のマイナス成長となり、世界的な景気後退の足音が一段と強まった印象を与えているでしょう。

今回の生産減少における最大の要因は、出口の見えない米中貿易摩擦の長期化にあります。この「粗鋼(そこう)」とは、鉄鉱石などを溶かして不純物を取り除き、まだ加工される前の鋼(はがね)の状態を指す専門用語です。あらゆる産業の土台となるこの素材の需要が減っている事実は、製造業全体が停滞している証拠といえます。SNS上でも「景気の先行指標がここまで落ち込むのは不安だ」といった、先行きを懸念する声が目立っています。

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日本とEUの苦境、そして中国の「一人勝ち」が示す未来

地域別のデータに目を向けると、日本や欧州連合(EU)の落ち込みは深刻で、前年比で10%を超える大幅な減産を強いられました。市況の悪化によって鉄の価格が低迷しており、各メーカーは採算を合わせるために生産を絞らざるを得ない厳しい状況が続いています。先進国の経済が足踏みをする中で、鉄鋼メーカー各社はかつてないほどの正念場を迎えていると言っても過言ではありません。

その一方で、世界最大の生産国である中国だけは、わずか2カ月で再びプラス成長へと転じ、驚異的な底力を見せつけました。中国政府が実施している大規模な景気刺激策が功を奏し、インフラ投資を中心に鉄鋼需要が根強く支えられているためです。世界全体が減速する中で増産を続ける中国の姿勢は、将来的な供給過剰を招く恐れもあり、グローバルな市場のバランスを歪めてしまうのではないかと私は危惧しています。

今後の焦点は、中国の高水準な生産がいつまで続くのか、そして冷え切った日欧の市場がいつ回復の兆しを見せるのかという点に集まるでしょう。鉄は「国家の力の象徴」とも呼ばれますが、現在は特定の国の政策に市場が大きく左右される、不安定なパワーバランスの上に成り立っています。投資家やビジネスマンにとって、2019年末のこの数字は、来たる2020年の世界経済を占う上で極めて重要なシグナルとなるはずです。

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