2019年12月10日現在、ビジネスの最前線を走る総合商社の役割が劇的な変化を迎えています。かつて「ラーメンからミサイルまで」と称された多角的な業態は、今や単なる規模の拡大ではなく、いかに地球環境と共生するかが問われる時代となりました。その象徴ともいえるのが、丸紅がアラブ首長国連邦で展開する「ギガソーラー」プロジェクトです。
このプロジェクトは、東京ドーム約170個分という広大な敷地に約300万枚の太陽光パネルを敷き詰めるという、まさに圧巻の規模を誇ります。特筆すべきは、ロボットによる徹底した管理や高密度設計を導入することで、これまでの常識を覆す低コスト化を実現した点です。これにより、クリーンエネルギーが化石燃料の代替として十分に通用することを示しました。
SNS上では、この壮大な構想に対して「不毛の地がエネルギーの聖地に変わる瞬間を見ているようだ」「商社の底力を感じる」といった驚きと期待の声が数多く寄せられています。ただ利益を追うだけでなく、時代の要請であるSDGs(持続可能な開発目標)に対して、具体的な「最適解」を提示する姿勢が、多くの人々の心を捉えているようです。
「脱石炭」の決断が意味する未来への投資
丸紅は2018年に、環境負荷の高い石炭火力発電の新規事業から撤退する「脱石炭宣言」を発表しました。2019年12月10日の時点でも、この決断は業界に大きな衝撃を与え続けています。短期的な収益が減少するリスクを承知の上で、再生可能エネルギーへと軸足を移す選択をした背景には、金融機関からの厳しい視線だけでなく、未来への強い責任感があります。
柿木真澄社長は、SDGsの本質を「サステナブル・ディーセント(適正な)・デベロップメント」と独自の言葉で表現しています。これまで追求してきた「安さ」や「大量生産」が、将来世代の犠牲の上に成り立っていないかを立ち止まって考える。この「適正さ」への転換こそが、現代社会が最も必要としているブレーキなのかもしれません。
インドネシアでは、東京都の約1.4倍に相当する広大な森林を管理し、紙パルプ事業を行いながら植林を強化しています。自然から資源を借りるだけでなく、豊かな植生を育むことで「お返し」をする。このバランス感覚こそが、これからの商社が持つべき新しいDNAと言えるでしょう。単なるビジネスを超えた、地球の声に耳を澄ます姿勢が印象的です。
個人的な見解を述べれば、商社の持つ巨大なサプライチェーン(製品が消費者に届くまでの供給網)は、世界を善くするための強力なインフラになります。児童労働や人権問題など、複雑に絡み合う課題に対して商社が率先して動くことは、一企業の取り組みを超えて世界全体のスタンダードを底上げする、極めて意義深い一歩であると感じます。
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