2019年スタートアップの明暗を分けた「実体系」の衝撃!ユニコーン誕生と経営破綻から学ぶ教訓

2019年は、日本のスタートアップ界隈において、ものづくりや新素材の開発に挑む「実体系」企業のダイナミズムが鮮明に現れた激動の1年となりました。ソフトウェアが中心だったこれまでの潮流から、形のある製品や革新的な素材を生み出す企業へと注目が移っています。SNS上でも、未来を創る挑戦者たちへの期待と、急転直下のニュースに対する驚きの声が交錯し、産業界全体に強い緊張感が走っています。

そんな中、圧倒的な存在感を見せているのが、石灰石を主原料とした新素材「LIMEX(ライメックス)」を手掛けるTBMです。同社は、2019年9月24日時点の推計企業価値が1218億円に達し、日本経済新聞の調査で「ユニコーン企業」の仲間入りを果たしました。ユニコーンとは、評価額が10億ドルを超える未上場の新興企業を指す言葉ですが、まさに日本を代表する期待の星として、その地位を確固たるものにしています。

世界的にプラスチックごみ問題への対策が急務となる中、石灰石という安価で豊富な資源を活用する同社の技術は、まさに時代の要請に応えるものです。2019年8月には宮城県多賀城市で大規模な工場の着工を開始しており、2020年冬の本格稼働に向けて着々と準備を進めています。山崎敦義社長は2021年の新規株式公開(IPO)を見据えており、その強気な姿勢には多くの投資家が熱い視線を送っているようです。

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光の影で起きた悲劇とハードウェア開発の難しさ

しかし、輝かしい成功の裏で、あまりに厳しい現実を突きつけられた事例も存在します。衣類を自動で折り畳む革新的な家電「ランドロイド」の開発で脚光を浴びた、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズが2019年4月に経営破綻を喫しました。大手企業からも100億円を超える巨額の資金を調達し、国からも有望企業として認められていただけに、このニュースは業界全体に激震を走らせました。

破綻の要因は、人工知能(AI)と複雑なロボット技術を高度に融合させることの難しさにありました。特定の素材に対応できないといった技術的障壁が発覚し、出荷延期を繰り返したことで、投資家からの信頼を維持できなくなったのです。物理的なモノを作るスタートアップは、ソフトウェア開発と比べて莫大な研究開発費と量産化へのコストがかかるため、一度計画が頓挫すると資金繰りが一気に悪化するという教訓を残しました。

私個人の見解としては、挑戦的なプロダクトが失敗したことを過度に叩くのではなく、その失敗から何を学ぶかが重要だと考えます。素晴らしいアイデアがあっても、開発の難易度を見極め、持続可能な資金調達の仕組みを構築しなければ、夢は途絶えてしまいます。2019年は、日本のものづくりが再び世界を驚かせるための「生みの苦しみ」を経験した年として、後世に語り継がれる重要な節目になるでしょう。

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