ニコニコ動画が逆襲の狼煙!KADOKAWAの「本気のてこ入れ」で有料会員減に歯止めをかけられるか?

2000年代のインターネット文化を象徴する存在といえば、誰もが「ニコニコ動画」を思い浮かべることでしょう。運営元であるKADOKAWAは、かつての熱狂を取り戻すべく、今まさに「真顔」の構造改革に乗り出しています。スマートフォンの普及に伴う視聴スタイルの変化や、強力なライバルアプリの台頭により、一時は苦境に立たされていた同サービスですが、徹底したコスト削減によって収益面での明るい兆しが見えてきました。

2019年11月、東京・池袋の新たなランドマークに、最新鋭の配信スタジオが産声を上げました。ここは、リアルなイベントやコンサートをニコニコ生放送を通じて世界へ届けるための戦略的拠点です。2019年4月に業務提携を発表したサイバーエージェントとの協力体制も加速しており、インターネットテレビ局「ABEMA(アベマ)」とのコンテンツ連携によって、これまでにない新しい視聴体験が生み出されようとしています。

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コスト改善から「攻め」のコンテンツ投資へ

ニコニコ動画の代名詞といえば、画面上を右から左へと流れる「コメント機能」です。視聴者がリアルタイムで感情を共有できるこの仕組みは、登場当時、YouTubeに匹敵するほどの絶大な人気を博しました。しかし、モバイル対応の遅れや画質面での課題が指摘され、近年は厳しい戦いを強いられていたのが実情です。2014年の経営統合以降、KADOKAWAは通信費の圧縮や不採算部門の整理を進め、財務体質の強化を優先してきました。

その努力は数字となって現れています。2019年4月から9月期におけるウェブサービス事業の営業損益は、前年同期の赤字から一転、15億円の黒字を達成しました。3年ぶりとなる通期黒字化も現実味を帯びており、SNS上でも「ニコニコの逆襲が始まったのか?」「UIさえ良くなれば戻りたい」といった期待の声が散見されます。守りの経営から、いよいよ成長に向けたアクセルを踏む準備が整ったといえるのではないでしょうか。

一方で、復活への鍵を握るのは「プレミアム会員」という有料ユーザーの動向です。月額550円(税込)で、高画質視聴やタイムシフト予約(過去の放送を後から視聴できる機能)の優先権が得られるこの制度は、サービスの収益基盤を支える屋台骨です。2016年に256万人を数えた会員数は、2019年9月末時点で171万人まで減少しており、この減少トレンドをいかに食い止めるかが、真の再生に向けた最大の課題となっています。

KADOKAWAの総合力が試される「日の丸プラットフォーム」の夢

KADOKAWAは、自社が持つ膨大なIP(知的財産)を武器に、プラットフォームの価値を再定義しようとしています。2019年12月からはライトノベルの電子書籍読み放題サービスを開始するなど、アニメや映画、出版を横断したサブスクリプション(月額課金)モデルの構築を急いでいます。単なる動画投稿サイトではなく、あらゆるエンターテインメントの出口としてニコニコ動画を活用する、まさにグループの総力戦が展開されています。

2023年3月期に売上高2400億円を目指す中期的な目標達成には、ドワンゴの完全復活が不可欠です。2014年10月1日の統合初日に記録した株価をまだ超えられない現状に対し、市場は「プレミアム会員の増加転換」という明確な成果を待ち望んでいます。かつて掲げた「日の丸プラットフォーム」という旗印は、決して夢物語ではありません。編集者としても、独自の文化を持つニコニコが再び輝きを取り戻すことを切に願っています。

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