投資の世界に大きな地殻変動が起きようとしています。アメリカの有力な議決権行使助言会社であるグラスルイスが、2020年1月に待望の日本拠点を正式に開設することを決定しました。これまで同社は、多くの日本企業が株主総会を開催する6月の繁忙期に合わせて、臨時で拠点を設けるにとどまっていました。しかし、2020年以降は東京都内に常設のオフィスを構え、専門スタッフを増員して本格的な活動を展開していく方針です。
この動きの背景には、日本国内の機関投資家によるサービスの需要が急速に高まっている事実があります。「議決権行使助言会社」とは、株主総会での議案に対して賛成か反対かを機関投資家にアドバイスする、いわば投資の羅針盤のような存在です。SNS上でも「日本市場の透明性が高まる一歩だ」「海外勢の影響力がさらに強まるのではないか」と、投資家たちの間で大きな話題を呼んでいます。単なる進出以上の意味がここには込められているのでしょう。
金融庁が後押しするガバナンスの進化
今回の常設拠点設立には、規制当局である金融庁の働きかけも無視できません。2019年12月11日に開催された有識者会議では、機関投資家の行動指針である「スチュワードシップ・コード」の改定案が示されました。この指針は、投資家が企業と対話を通じて中長期的な成長を促すための責任をまとめたものです。改定案には、助言会社に対して日本国内での体制整備を直接的に促す項目が盛り込まれており、官民一体となって投資環境を整える姿勢が見て取れます。
この新しいルールは、早ければ2020年3月にも適用される見込みとなっています。私は、今回のグラスルイスの常設化が、日本企業のコーポレート・ガバナンス(企業統治)を一段上のステージへ引き上げる契機になると考えています。助言会社が日本に根を張ることで、企業の経営状況をより多角的かつ緻密に分析できる環境が整うからです。これは、不透明な経営判断を許さないという市場からの強いメッセージとして、企業側にも良い緊張感をもたらすはずです。
今後、日本の株式市場はグローバルな基準での対話がさらに求められる時代に突入します。グラスルイスのような世界基準の視点を持つ組織が東京で常時監視の目を光らせることは、個人投資家にとっても、より健全な市場形成への期待を抱かせる明るいニュースだと言えるでしょう。2020年は、日本の資本市場にとって「対話の質」が問われる記念すべき一年になりそうです。変化を恐れず、世界から選ばれる市場への進化を期待せずにはいられません。
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