化学業界のリーディングカンパニーである株式会社クラレから、2019年12月16日付の新たな人事異動が発表されました。今回の異動は、同社のモノづくりの根幹を支える「技術本部」と、重要拠点である「鹿島事業所」におけるリーダー職の交代です。企業の競争力を左右する技術開発の最前線で、どのようなバトンタッチが行われたのか詳しく見ていきましょう。
まず、技術本部の中核を担う技術開発センターにおいて、化学プロセス開発グループリーダーに嶋村重孝氏が就任します。ここで言う「化学プロセス開発」とは、実験室レベルで生まれた新しい素材や技術を、実際の工場で安定して大量生産するための仕組みを設計・構築する非常に重要な専門領域を指します。いわば、技術の種をビジネスの果実に変えるための架け橋となるポジションなのです。
一方で、これまで同グループのリーダーを務めていた永松健治氏は、茨城県神栖市に位置する鹿島事業所の設備技術担当へと転出されます。鹿島事業所は、クラレの主力製品である合成繊維や樹脂の製造を担う戦略的拠点の一つです。開発の最前線を知るエキスパートが現場の設備維持や改善に加わることで、生産ラインの更なる効率化や安全性の向上が期待できるでしょう。
SNS上では、大手メーカーの技術職人事に対して「地味に見えるが、プロセスの責任者が現場へ行くのは現場力の底上げになりそうだ」といった期待の声や、「高度な専門性が求められる化学業界でのキャリア形成は興味深い」といった反応が寄せられています。特に若手技術者の間では、開発から製造現場へのジョブローテーションのあり方に関心が集まっているようです。
私自身の見解としては、今回の人事はクラレが提唱する「独自の技術による社会への貢献」をより強固にするための布石だと感じています。プロセス開発の知見を持つ人材を事業所の設備部門に配置することは、机上の理論に留まらない「生きた改善」を加速させるはずです。技術の深化と現場への展開という両輪が噛み合うことで、同社の世界シェアNO.1製品を支える力がさらに増していくに違いありません。
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