2020年01月02日から始まった正月の風物詩、箱根駅伝において、大きな注目を集めたのが26年ぶりに本戦への切符を掴んだ筑波大学の存在です。かつて第1回大会を制したこともある名門・国立大学の復活に、沿道やSNS上では「ついに帰ってきた」「文武両道の象徴として頑張ってほしい」といった熱いエールが数多く寄せられていました。長きにわたる沈黙を破り、再び箱根の路を駆け抜ける彼らの姿は、多くのファンの胸を打ったことでしょう。
しかし、四半世紀以上の空白を経て挑んだ夢の舞台は、想像を絶するほどに過酷な現実を突きつける結果となりました。往路の順位は20校中19位に沈み、ハイペースで展開される現代駅伝のスピード感に苦しめられた印象です。チームを率いる弘山勉監督も、自分たちの現在の走力では激しい順位争いの流れを覆すには至らなかったと、静かに悔しさを滲ませていました。あと一歩、上位に食い込める力があったのではないかと振り返る表情からは、勝負の世界の厳しさが伝わります。
今回、メンバーの中で唯一箱根の経験を持っていたのが、5区を任された相馬崇史選手です。彼は前回大会で「関東学連選抜」として出場していました。これは、予選会で敗退した大学の中から個人成績が優秀な選手を選抜して構成される、オープン参加の合同チームを指します。いわば各校の精鋭が集うドリームチームの一員として山を登った経験がある相馬選手に、筑波大の命運を分ける特殊な登り坂の区間が託されたわけです。
相馬選手は最下位で受け取った襷を必死に前へと運び、一つ順位を押し上げる力走を見せてくれました。しかし、個人としての粘りを見せつつも、強豪校が揃うシード校との実力差を肌で感じ、「圧倒的な強さを見せつけられた」と自身の力不足を痛感している様子です。SNSでは「相馬くんの執念は感じた」「ここが筑波の新しい歴史のスタート地点だ」と、その走りを称える投稿が目立ちましたが、本人にとっては非常に厳しい洗礼となったに違いありません。
私は今回の結果を受けて、筑波大の挑戦には順位以上の価値があったと確信しています。私立大学のスカウティング競争が激化する中で、国立大学が独自の強化策でこの舞台に戻ってきた事実は、多くの学生ランナーに希望を与えたはずです。一度失われた伝統を取り戻すのは並大抵のことではありませんが、この2020年01月03日までに刻まれた苦い経験こそが、未来の筑波大を強くする糧になるでしょう。ここからの巻き返しに、編集部としても大いに期待しています。
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