インターネット関連大手のディー・エヌ・エー(DeNA)が、横浜市や川崎市と手を取り合い、次世代の移動体験に向けた新たな一歩を踏み出しました。同社が展開するタクシー配車アプリ「MOV(モブ)」の利便性を、スマートフォンを持たない層にも広げるための専用端末の実証実験が、2019年12月18日より本格的にスタートしています。
このプロジェクトの鍵を握るのが、専用の配車端末「モブコール」です。通常、タクシー配車サービスといえばスマートフォンのアプリ操作が不可欠ですが、この端末は設置場所へ行くだけで誰でも手軽にタクシーを呼べる仕組みを整えました。SNS上では「高齢者でも使いやすそう」「スマホの電池が切れた時に助かる」といった期待の声が早くも寄せられています。
医療機関や観光スポットに設置!誰でも使えるユニバーサルな設計
実証実験の舞台として選ばれたのは、多くの人が訪れる地域の拠点です。2019年12月18日の時点では、横浜市立市民病院などの医療機関にすでに導入が完了しました。さらに、2019年12月中には、横浜の新たな観光名所として注目を集める「横浜ハンマーヘッド」にも設置される予定となっており、市民の生活から観光まで幅広くカバーしています。
操作方法は驚くほどシンプルで、設置されたタッチパネル式の画面を操作するだけで配車依頼が完了します。いわゆる「MaaS(マース)」と呼ばれる、ITを活用して移動を効率化する概念が、より身近な形で具現化されたといえるでしょう。病院帰りの足として、あるいは観光の合間の移動手段として、直感的な操作でタクシーを呼べるのは大きな魅力です。
配車の手続きが終わると、端末からは到着予定時刻や乗車場所、予約番号が印字されたレシートが発行されます。これを受け取るだけで準備は整い、あとは指定の場所で待つだけという分かりやすさです。これまでの電話による迎車依頼のような煩わしさが解消され、テクノロジーの恩恵をすべての世代が享受できる仕組みになっています。
編集者の視点:デジタル格差を埋める「おもてなし」の心
今回のDeNAの試みは、単なる利便性の向上に留まらない、社会的な意義の大きいものだと感じます。スマートフォンの普及が進む一方で、操作に不安を感じる世代がいることも事実です。そうしたデジタル格差(デジタルデバイド)を埋めるため、あえて「据え置き型端末」という形をとった点に、同社の柔軟な発想と優しさが垣間見えるのではないでしょうか。
特に病院という場所柄、心身に負担がある状況でのタクシー確保は死活問題です。そこで誰でも使える端末が用意されていることは、安心感という何物にも代えがたい価値を提供してくれるはずです。この実証実験は2020年3月まで継続される予定ですが、横浜という都市のスマートシティ化を加速させる、重要な試金石となることは間違いないでしょう。
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