テンセントが金融事業でアリババを猛追!微信(ウィーチャット)を武器にスマホ決済から資産運用まで狙う新戦略とは?

中国のIT巨頭である騰訊控股(テンセント)が、スマートフォン決済の分野においてライバルであるアリババ集団の背中を激しく追いかけています。評価額ではすでに肩を並べるほどの急成長を見せており、巨大市場の覇権争いから目が離せません。ネット上でも「ついにテンセントがアリババを抜く日が来るのか」と、今後の展開を期待する声が数多く上がっています。

しかし、金融事業の全体像を冷静に見渡してみると、現時点ではまだアリババに一歩及ばないのが実情です。その決定的な要因となっているのが、新サービスを打ち出すスピードの差にあります。アリババは常に市場の先手を打ち、資産運用商品や個人の信用力を数値化するシステムの導入などで、先行者利益を確実に獲得してきました。

アリババの圧倒的な強さを象徴しているのが、2013年06月に提供を開始した「余額宝(ユエバオ)」という資産運用商品です。これは、スマホ決済アプリにチャージしたままの端金を、いつでも手軽に運用へ回せる画期的な仕組みを指します。1日単位で利息がつく手軽さが受け、一時は運用残高が1兆7000億元にまで膨らむメガヒットを記録しました。

ネット上では「毎日お小遣い感覚で利息が貯まるのが本当に楽しい」といった一般ユーザーからの好意的な口コミが溢れており、市民の生活に深く根付いている様子が窺えます。テンセントも半年後に同様のサービスで追随したものの、最初に市場を開拓してブランドを確立したアリババの牙城を崩すのは、容易なことではありません。

さらにアリババは、2015年より個人の信用評価システムである「芝麻(ゴマ)信用」をスタートさせました。これは電子商取引(EC)の利用履歴などをAIで分析し、個人の信用度をスコア化する最先端の仕組みです。この裾野の広さや独自の強みを活かした小口融資などの展開が、テンセントとの間に明確な差を生み出していると言えます。

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後追いからの脱却へ!微信の圧倒的なユーザー数が反撃の鍵を握る

一般的に金融商品は、目に見える形がないため他社との差別化が非常に難しい分野として知られています。だからこそ、誰よりも早く画期的なサービスを世に送り出して市場のシェアを握った企業が、長期間にわたって優位性を保ち続けることができるのです。これまでテンセントの金融事業は、どうしてもアリババの後を追う形が目立っていました。

筆者は、テンセントがこの状況を打破するためには、独自の強みであるSNSのつながりをより深く金融に融合させるべきだと考えています。他社の真似をするステージはすでに終わりを迎えており、これからは誰も見たことがないような、人と人との絆をベースにした新しい金融の形を提示することこそが、王座奪還への唯一の道となるはずです。

そのための最大の武器となるのが、利用者が11億人を超えている大人気SNS「微信(ウィーチャット)」の存在に他なりません。この圧倒的な顧客基盤を活かし、これまでの後追い体質から脱却した完全オリジナルの新機軸を打ち出せるかどうかが注目されます。ライバル関係がもたらす革新的なサービスの誕生を、これからも期待を込めて見守りましょう。

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