中国ITの覇者テンセントの衝撃!『騰訊(テンセント)』が描くネット黎明期の熱狂と模倣の真実

インターネット利用者が8億人という驚異的な規模に達し、いまや米国をも凌駕する世界最大の市場へと変貌を遂げた中国。私たちの耳には「GAFA」という言葉が馴染み深いものですが、隣国である中国のデジタル経済を牽引しているのは、間違いなく「BAT」と呼ばれる巨大企業群でしょう。

BATとは、検索の百度(バイドゥ)、ECのアリババ、そしてSNSやゲームで知られる騰訊(テンセント)の頭文字を繋げた呼称です。2019年11月30日に紹介された本書は、その一角であるテンセントがいかにして産声を上げ、巨大帝国を築くに至ったかを克明に記録した圧倒的な企業史となっています。

著者は中国屈指のビジネス作家であり、テンセント全面協力のもとでCEOの馬化騰(ポニー・マー)氏への直接取材を敢行しました。さらに競合他社への徹底した調査も加えられたことで、日本ではベールに包まれていた中国ネット界の熱すぎる黎明期が、鮮やかな臨場感をもって読者の前に提示されています。

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模倣から創造へ!若き起業家たちが駆け抜けた技術の最前線

1971年に生を受けた馬化騰氏が大学でコンピューターを学んでいた当時、中国にはまだマイクロソフトのWindowsすら普及していなかった事実に驚かされます。彼は指をくわえて待つのではなく、自ら似たソフトを開発する道を選びました。この貪欲な姿勢こそが、後の躍進を支える原動力となったのでしょう。

海の向こうのシリコンバレーで次々に生まれる革新的な技術を、若き中国人起業家たちは徹底的に「模倣」しました。SNS上では「パクリから始まったのか」という手厳しい声も散見されますが、彼らは単なるコピーに留まらず、過酷な競争の中で独自の改良を重ね、世界最強のプラットフォームへと昇華させたのです。

本書では、政府によるネット規制といったデリケートな側面への言及は限定的ですが、それでも中国IT企業がなぜここまで強大になれたのかを知るヒントが凝縮されています。編集者としては、単なる成功美談としてではなく、生き残りをかけた凄まじい執念の記録として読むことを強くおすすめいたします。

プレジデント社から2019年に刊行されたこの一冊は、2300円という価格以上の価値を私たちに与えてくれるはずです。中国という巨大市場の原点を理解することは、これからのグローバルビジネスを考える上で避けては通れないステップと言えるでしょう。

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