2019年もいよいよ幕を閉じようとしていますが、香港では平穏な聖夜とはほど遠い緊迫した情勢が続いています。クリスマス休暇の真っ只中にある現地では、政府への抗議活動が休むことなく展開されており、街の華やいだ雰囲気は一変しました。2019年12月24日からの3日間、黒い服に身を包んだ若者たちが次々と商業施設に集結し、民主化を求める熱烈なスローガンを連呼しています。
SNS上では、平和を願うクリスマスに催涙弾が飛び交う異様な光景に対し、世界中から驚きと懸念の声が寄せられました。「買い物客で賑わうモールが戦場のようだ」といった投稿が拡散され、現地の混乱ぶりがリアルタイムで伝わっています。警察側も強硬な姿勢を崩しておらず、2019年12月24日と2019年12月25日には、群衆を強制排除するために催涙スプレーや催涙弾を使用する事態へと発展しました。
経済の象徴HSBCへの攻撃と企業活動への影
今回の騒乱で特筆すべきは、抗議の矛先が政府だけでなく特定の企業にも向けられ始めた点でしょう。特に、デモ隊を支援する寄付金口座を閉鎖したと報じられたイギリスの金融大手HSBC(香港上海銀行)は、激しい怒りの対象となりました。一部の店舗ではガラスが割られるなどの破壊行為が行われ、香港の経済を支えてきたグローバル企業の活動にも深刻な影を落としています。
ここで注目したいのは、なぜ銀行が標的になったのかという点です。今回の「口座閉鎖」は、デモの資金源を断とうとする当局の圧力が背景にあると推測されており、市民側はこれを自由への弾圧と受け止めています。筆者の目には、単なる暴動という枠を超え、生活の基盤である金融システムさえもが政治的対立の渦中に引きずり込まれている異常事態であると映ります。
2019年12月26日午後になっても、ショッピングモールでの抗議は収まる気配を見せませんでした。警察はモール内でも次々と参加者を取り押さえており、香港メディアの報道によれば、連休開始からの逮捕者はすでに200人を超えたとのことです。自由を求める若者たちの熱意と、秩序維持を掲げる警察の衝突は、出口の見えない泥沼の状態に陥っていると言わざるを得ません。
クリスマスという本来なら家族や友人と過ごすべき時期に、これほど多くの若者が街頭に立たざるを得ない現状には胸が痛みます。暴力的な破壊活動は決して容認されるべきではありませんが、彼らを突き動かす根源的な不安に対して、真摯な対話がなされない限り、この分断が修復されることは難しいでしょう。2020年を目前にして、香港の未来は依然として不透明な霧に包まれています。
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