みなさんは飲食店を探すとき、何を基準に選んでいますか。これまで圧倒的な存在感を放っていたグルメサイトの評価に対して、いま大きな変化の波が押し寄せています。飲食店の顧客管理システムを手掛ける「テーブルチェック」が2019年11月に実施した最新の意識調査によると、なんと利用者の26%がサイト上の点数やランキングを「信頼していない」と回答したことが判明しました。かつては絶対的な指標だった星の数が、岐路に立たされているようです。
このニュースが流れると、SNS上では「やっぱりそうだったのか」「実感を裏付けるデータだ」といった共感の声が相次ぎました。特に話題となっているのが、飲食店側がサイト運営企業へ支払う広告掲載料と、ユーザーへの表示順位や評価が連動しているのではないかという懸念です。このように、多額の資金を投じた店が有利になる仕組みへの不信感が、今回の結果を招いた要因と言えるでしょう。便利だったはずのツールが、いまや疑念の対象となっています。
一方で、完全に利用をやめたわけではないという声も根強く存在します。調査では「信頼しているが、あくまで情報源の1つ」と捉えている人が56%と過半数を占めました。さらに、よく利用する検索サービスとしては「グルメサイト」が79%で首位を維持しています。しかし同時に、米グーグルの「グーグル検索」が48%、位置情報を活用した「地図サービス」が30%、そして「SNS」も24%と、驚異的な猛追を見せている状況です。
注目すべきは、2019年1月以降にグルメサイトの利用頻度が「減った」と答えた人が16%にのぼり、「増えた」の10%を上回った点でしょう。その理由として最も多かったのが「自分好みの店が見つからないから」という意見でした。次いで「信頼できる情報ではない」「他人の評価に興味がない」といった声が並びます。画一的なランキングよりも、個人の嗜好やリアルな体験が重視される時代へとシフトしている証拠ではないでしょうか。
こうした事態を受けて、行政も動き出しています。公正取引委員会は2019年10月に、グルメサイトの実態調査を開始したことを明らかにしました。これは市場における健全な競争を守る「独占禁止法」の観点から、集客手段を握るサイト側が飲食店に対して、不当な契約改定や不利な条件を押し付けていないかを検証するためです。プラットフォームが持つべき「公平性」が、いま改めて厳しく問われている局面と言えます。
デジタル編集部としては、この変化をむしろ歓迎すべき健全な流れだと捉えています。誰もが同じ基準の星の数に振り回されるのではなく、SNSの口コミや地図アプリから、自分だけの「隠れた名店」を見つけ出す楽しさに多くの人が気づき始めました。グルメサイトも単なる評価の場から脱却し、真にユーザーへ寄り添う形へ進化せねば生き残れません。私たちが本当に美味しいお店に出会える選択肢は、これからさらに広がっていくはずです。
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