大手旅行会社のJTBが、2020年度の海外旅行においてヨーロッパ地域へのアプローチを本格的に強化します。2015年にフランスで発生した悲しいテロ事件以降、欧州エリアへの旅行者数は減少傾向が続いていました。そこで同社は、これまでにない魅力的な新商品を次々と投入し、かつての賑わいを取り戻す計画を立てています。
JTBは2020年度の最重要エリアを指す「グローバル・デスティネーション・キャンペーン」の対象に、前年度のハワイに続き欧州を選定しました。歴史的な建造物や奥深い文化、素晴らしいグルメが揃うヨーロッパですが、治安への不安から客足が遠のいていたのも事実です。今回は、フランスのテロ事件が起きる前の水準まで需要を回復させるという強い決意が伺えます。
ネット上やSNSでも「パリの街並みを眺めながら贅沢な食事ができるなんて夢のよう」「お肉やワインを楽しみながら観光できるのは最高」といった期待の声が早くも寄せられています。かつてのヨーロッパ旅行に対する憧れが、魅力的な新プランの登場によって再び燃え上がっているようです。単なる観光地の周遊にとどまらない、新しい旅のスタイルに注目が集まっています。
今回の目玉となるのが、全面ガラス張りの2階建てバスでパリの街を巡る「バストロノーム」です。これはバスと、美食を意味するガストロノミーを組み合わせた造語で、移動しながら優雅に食事ができるサービスを指します。2020年4月からは毎日チャーター運行が実施され、凱旋門などの絶景と共に、ミシュラン名店のシェフが監修した至高のフルコースを堪能できます。
さらに、ゆったりとした時間が流れるドナウ川やライン川でのリバークルーズも新たにスタートします。また、現地で複数の観光バスを乗り継ぎながら効率よく周遊できる「シート・イン・コーチ」という混乗バスシステムには、人気のクロアチアやスロベニアを巡るルートが追加されました。選択肢が広がることで、自分だけの特別な旅が実現するでしょう。
旅行者が最も気になる安心面への配慮として、標準装備されている旅行保険の補償内容が大幅に手厚くなります。例えば、当日の公共交通機関の遅れやビザの不備によって飛行機に乗り遅れてしまった場合でも、実費を10万円までサポートしてくれる仕組みです。こうした細やかな配慮は、久しぶりに海外へ出かける旅行者にとって大きな安心材料になるに違いありません。
ドイツ連邦統計局のデータによると、2015年に年間約65万泊あった日本人の宿泊数は、翌2016年には55万泊まで急減し、2018年時点でも61万泊と完全復活には至っていません。しかし、JTBのこうした手厚い保険や魅力的なプランがあれば、渡航をためらっていた人々も一歩を踏み出しやすくなります。旅の安全と楽しさを両立させた素晴らしい試みだと感じます。
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