世界で強まる「管理貿易」の波とは?自由貿易の歴史と私たちが直面する現代の課題

世界経済を揺るがすニュースの中で、最近にわかに注目を集めているのが「管理貿易」という言葉です。これは政府が主導権を握り、輸出入の許可制や数量制限、決済の規制などを通じて直接的に貿易をコントロールする仕組みを指します。一般的に関税の引き上げなどは含まず、より直接的な介入を行うのが特徴です。

この手法は、自国の貿易赤字を抑えるための特効薬として期待される側面を持っています。しかし一方で、市場に流通する海外製品が減ってしまうため、私たち消費者の選択肢を狭めるという大きなデメリットも見逃せません。かつて1970年代から1990年代にかけて対米貿易摩擦が激化した日本でも、自動車などの「輸出自主規制」という形で行われました。

ネット上では「昔の貿易摩擦を思い出す」「結局は消費者が損をするのではないか」といった、先行きを不安視する声が多数上がっています。歴史を振り返ると、過度な保護主義が第二次世界大戦を招いたという痛烈な反省から、1948年1月1日に関税貿易一般協定(GATT)体制が発足しました。

その後は世界貿易機関(WTO)へと引き継がれ、自由な貿易を推進する仕組み作りが進められてきたのです。WTOのルールでは原則として数量制限が禁止されているものの、足元では不穏な動きが観測されています。WTOの報告によると、2018年10月中旬からの1年間で、加盟国が新たに導入した輸入制限措置の対象額は7469億ドルに達しました。

これは前年の同じ時期と比べて27%も急増した計算になり、米中の経済的な対立に留まらず、地球規模で保護貿易主義の波が押し寄せている現実を物語っています。経済のブロック化が進めば、世界的な景気後退や物価の高騰を招きかねません。目先の自国利益に捉われず、国際社会が協調して開かれた市場を維持していく対話が、今こそ強く求められていると考えます。

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