持続可能な社会の実現へ向けて、建築やエネルギーの分野で革新的な挑戦を続ける企業があります。木製建材の製造を手がける銘建工業は、自社の新しい本社ビルをモデルケースとして、これからの建築市場を牽引しようとしています。ここで注目を集めているのが、環境に優しく優れた性能を持つ新素材です。
この新本社の建築に採用されているのが、「CLT」と呼ばれる最先端の木製建材です。CLTとは「クロス・ラミネイティド・ティンバー」の略称で、ひき板の層を互いに直交するように積み重ねて接着した大判の木パネルを指します。木のぬくもりを活かしつつ、従来の木材を遥かに凌ぐ強度と軽量性を兼ね備えているのが大きな特徴です。
SNS上でもこの取り組みは大きな話題を呼んでおり、「木造ビルの可能性が広がる」「日本の林業の救世主になってほしい」といった期待の声が多数寄せられています。コンクリートや鉄骨に代わる新たな構造材として、都市建築の木質化を推進する画期的な建材として、多方面から熱い視線が注がれているのです。
さらに銘建工業は、製材の過程で発生する木くずを有効活用した「バイオマス発電」にも注力しています。バイオマス発電とは、生物由来の有機性資源を燃料として電気を起こすクリーンな仕組みです。同社では、日量でおよそ160トンにも及ぶ製材端材や間伐材などの木くずを燃料として活用しています。
未来へつなぐ新発電所の建設と地域社会への貢献
同社はさらなるエネルギー効率の向上を目指し、2020年1月29日に新しい発電所の起工式を執り行う予定です。総工費に約28億円を投じるこの大規模プロジェクトは、2021年7月ごろの稼働を目標に掲げています。新施設へと移行することで、発電出力は現在の1950キロワットから約5000キロワットへと大幅に引き上げられます。
新たに生み出される電力のうち、3000キロワット分は本社工場内でのCLTや集成材の製造ラインに補填される計画です。そして、余剰となる残りの電力は外部へ向けて販売されることになっています。自社で消費するエネルギーを賄うだけでなく、地域社会の電力インフラにも寄与する先進的な試みと言えるでしょう。
岡山県真庭市内における同社の取り組みは、今回が初めてではありません。2013年にこれまでの発電実績をもとに「真庭バイオマス発電」を設立し、2015年4月からは出力約1万キロワットの発電所を稼働させています。ここで作られた電気は地元の公共施設などへ供給され、地域を支える貴重なエネルギー源となっています。
私は、銘建工業が進めるこの循環型のビジネスモデルこそが、地方創生の理想像であると考えます。木材という地域資源を無駄なく使い切り、最先端の建材へと昇華させながら、その過程で生まれる副産物でエネルギーまで生み出す姿勢は、製材業に留まらず林業や地域経済全体の活性化に深く貢献していくに違いありません。
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