株高でも金価格が下がらない理由は?トランプリスクに備える投資家心理と今後の見通しを徹底解説!

金融市場で驚きの現象が起きています。米国とイランの軍事衝突が回避され、2020年01月15日には米中通商交渉の「第1段階」合意の署名が無事に完了しました。これを受けて世界の株式市場は活況を呈し、株価は最高値を更新し続けています。通常であれば、株価が上がると安全資産とされる「金(ゴールド)」は売られて値下がりするはずです。しかし、現在の金相場は驚くほど底堅く推移しており、多くの投資家が注目しています。

国際的な指標となるニューヨーク先物市場では、金価格が1トロイオンス(約31.1グラム)あたり1550ドル前後を維持している状況です。2020年の年初には、米国によるイラン司令官の殺害をきっかけに中東情勢への緊迫感が高まり、2020年01月08日には一時1613ドルという約7年ぶりの高値を記録しました。その後は地政学リスク(特定の地域が抱える政治的・軍事的な緊張が経済に与える悪影響)が和らいだものの、金は1919年末の水準を上回ったままです。

SNS上でもこの奇妙な値動きは話題になっており、「株高なのに金が下がらないのは不気味」「大統領選を控えてみんなビクビクしている証拠だ」といった声が数多く上がっています。ここ数年は大きな事件が起きても金価格の反応は一時的でしたが、今回は明らかに市場の空気が異なると言えるでしょう。背景にあるのは、2020年秋に控える米大統領選を睨んだ「トランプリスク」への強い警戒感に他なりません。

専門家の間では、トランプ米大統領が選挙での再選を狙い、今後さらに予測不能で強硬な外交政策に打って出るのではないかという見方が強まっています。こうした市場の不安を裏付けるように、金を裏付けとして発行される投資信託である金ETF(上場投資信託)の主要銘柄では、2020年01月15日から2020年01月16日にかけて現物資産の保有量が急増しました。投資家たちが目先の株高に浮かれることなく、着実に防衛策を講じている様子が窺えます。

今回の米中合意に関しても、中国による米国産農産物の購入義務などが本当に履行されるのか、市場では懐疑的な目が向けられています。約束が守られなければ、再び制裁関税などの応酬が始まり、世界景気が一気に冷え込む恐れもあるでしょう。私は、現在の株高はあくまで砂上の楼閣であり、賢明な投資家ほど最悪のシナリオを想定して「金」という確かな資産を手元に囲い込んでいるのだと考えます。

実際に、米国の先物市場における投機筋(短期的な利益を狙う投資家)の買い注文の残高は、過去最高水準に達しています。表面上はリスクを取って株を買う「リスクオン」のムードが漂っていますが、その裏ではいつ暴落が起きてもおかしくないという戦々恐々とした心理が渦巻いているようです。不確実性が高まる2020年の世界経済において、安全な逃避先としての金の輝きは、今後も一段と増していくのではないでしょうか。

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