日本の農業界に、通信技術の力で新しい風が吹き込もうとしています。NTTドコモは2020年1月20日、高知県四万十町にある高知県立農業担い手育成センターにて、眼鏡型ウエアラブル端末である「スマートグラス」を導入した農業の遠隔指導の実証実験を開始しました。この取り組みは現在の主軸である移動通信システム「4G」からスタートし、2020年末を目標に、より高速で大容量の通信が可能な次世代規格「5G」へと移行する計画です。新規就農を目指す研修生たちの育成を強力に後押しする試みとして、多方面から大きな注目を集めています。
SNS上では「熟練農家のノウハウがリアルタイムで学べるのは画期的」「遠隔地にいても具体的な指示がもらえるのは心強い」といった、テクノロジーの融合に期待を寄せる声が多数寄せられました。一方で「実際の畑の環境でスマートグラスがどこまでクリアに映像を届けられるのか見ものだ」という、今後の実用性に対する関心の高さも伺えます。作物の状態は言葉だけでは伝わりにくいため、映像を共有できるシステムへの期待は想像以上に大きいようです。
実証実験の舞台となるシステムは、センター内の圃場と呼ばれる作物を栽培する農地と、指導員が待機する本館や別館をネットワークで結んでいます。圃場に立つ研修生がマイクとスピーカーを内蔵したスマートグラスを装着することで、研修生の視界にある光景がそのまま指導員のパソコン画面へとリアルタイムで配信される仕組みです。これにより、離れた場所にいながら同じものを見ているかのような臨場感ある環境が整いました。
例えば、研修生が栽培中のナスに傷を発見した際、スマートグラスを通じて「傷の状態を確認してください」と指導員に呼びかけます。指導員は送られてきたクリアな映像を元に、その原因が病気なのか、あるいは害虫によるものなのかを瞬時に解析して音声で的確に返答することが可能です。さらに、その傷の画像に対処法などの具体的な指示をイラストや文字で描き込んで返信すると、研修生のグラスのレンズ上にその情報が直接投映されます。
今回のプロジェクトが目指すのは、これまでベテランの経験や勘、あるいは長年の感覚に頼ることが多かった栽培技術を「見える化」することにあります。データとして技を可視化できれば、農業のハードルは劇的に下がるはずです。こうした最先端技術は、人手不足や高齢化に悩む地方の第一次産業にとって、まさに救世主となる可能性を秘めていると私は確信しています。2年間の実験を通じて指導のノウハウを蓄積し、全国へ展開される日が待ち遠しいですね。
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