韓国を代表する自動車メーカーである現代自動車が、大きな転換期を迎えています。2018年9月14日に首席副会長へ就任した創業家3代目の鄭義宣(チョン・ウィソン)氏は、就任2年目を迎えて独自の経営カラーを鮮明に打ち出しました。これまでの成功体験であった「ファストフォロワー戦略」との決別を宣言したのです。
ファストフォロワー戦略とは、先行する競合他社が開発した技術や市場を素早く分析し、効率的に追いかける手法を指します。しかし、鄭氏はあえてこの安定した道を捨て、自らが市場を切り拓くリーダーへの変貌を狙っています。研究開発投資を前年比で5割も積み増すという決断からは、同社の並々ならぬ覚悟が伝わってくるでしょう。
特に注目すべきは、次世代モビリティの鍵を握る「CASE」への対応です。これは「Connected(つながる)」「Autonomous(自動運転)」「Shared(共有)」「Electric(電動化)」の頭文字を取った専門用語で、自動車業界に訪れた100年に1度の変革期を象徴しています。現代自動車はこの荒波を乗り越えるため、従来の自前主義を大胆に転換しました。
その具体的な動きとして、2019年9月23日には米国の自動運転技術大手アプティブとの合弁事業立ち上げを発表しています。外部の優れた知見を積極的に取り入れるこの姿勢は、SNS上でも「これまでのヒョンデとはスピード感が違う」「本気で世界一を狙いに来ている」と、驚きをもって受け止められているようです。
私自身の見解としては、このタイミングでの戦略変更は極めて合理的だと考えます。技術が複雑化する現代において、すべてを自社で完結させることはリスクが高すぎるからです。強気な投資と柔軟な外部連携を両立させる鄭氏の手腕は、韓国経済全体の起爆剤となる可能性を秘めているのではないでしょうか。
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