いよいよ開催が間近に迫った東京オリンピック・パラリンピックですが、その足元では意外な冷めムードが広がっているようです。店舗の集客支援を行うデザインワン・ジャパン社が2019年12月にインターネット上で実施した最新の意識調査によると、開催会場がある9都道県の中小店舗のうち、実に77パーセントもの経営者が「集客や売り上げの増加を期待していない」と回答しました。世界的なビッグイベントを前に、街中が活気に沸き立っているかと思いきや、現場の受け止め方は非常にシビアなものとなっています。
こうした冷ややかな視線の背景には、お店の業態が大きく関係していると考えられます。期待していないと答えた理由のトップには「観光客が利用する業態ではないから」という声が挙げられました。例えば、地元密着型の理髪店や学習塾、クリニックなどは、外国人観光客が急増したからといってすぐに利用者が増えるわけではありません。いくら街全体が盛り上がろうとも、自分たちのビジネスには直結しないと感じている経営者がこれほど多く存在するのが現実です。
一方で、すべての業態が悲観しているわけではありません。観光客がダイレクトに訪れるホテルなどの宿泊業、レジャー施設、そして飲食店に関しては、一味違う強い期待感が寄せられています。インバウンド(訪日外国人旅行者)による経済効果をダイレクトに享受できる業種にとっては、まさに千載一遇のチャンスと言えるでしょう。このように、業界や業態によって今回のオリンピックに対する期待度には、明らかな二極化の構図が生まれています。
さらに、競技会場を持たない地域に目を向けると、この温度差はより顕著になります。開催会場のない府県の店舗では、「期待していない」という回答が85パーセントにまで跳ね上がりました。東京を中心とした局所的な盛り上がりに留まり、地方の活性化には繋がりにくいという現状が浮き彫りになっています。地方の中小店舗にとっては、オリンピックはどこか「遠い世界の出来事」のように映っているのかもしれません。
この調査結果が発表されると、SNS上でも多くのユーザーから共感の声が相次ぎました。「近所の居酒屋は外国人メニューを作って張り切っているけれど、普通の商店街はいつも通り」「交通規制でむしろ普段の常連さんが来にくくなるのでは」といった、リアルな懸念や冷静な指摘が目立ちます。華やかなメガイベントの影で、日常の営業への影響を心配する声は決して少なくありません。
編集部としては、この結果はまさに中小店舗の「リアルな本音」を映し出したものだと感じています。国全体で大きな経済効果を謳う一方で、地域に根ざした個人の商店や中小企業がその恩恵を感じづらい仕組みは、今後の大きな課題ではないでしょうか。単なる一時的なお祭り騒ぎで終わらせるのではなく、インバウンドの波をどのように地域経済の持続的な発展へと還元していくか、いま一度真剣に向き合う必要がありそうです。
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