2019年10月の消費税率引き上げから数ヶ月が経過しましたが、ビジネスの現場では今まさに血のにじむような努力が続けられています。愛知中小企業家同友会が2019年12月10日から2019年12月15日にかけて実施した最新のアンケート調査によると、増税分のコストを商品やサービスの価格に「完全に上乗せできている」と答えた中小企業は、わずか49%にとどまることが判明しました。この結果にはSNS上でも「やはり10%の壁は厚い」「身を削って耐えるのにも限界がある」といった悲痛な声が次々と上がっています。
一方で、増税分を「全く価格に反映できていない」と回答した企業も11%存在しており、中小企業の約半数が厳しい現実に直面している様子が浮き彫りになりました。今回の調査は会員企業564社から得たリアルな声であり、平均従業員数が約30人という、まさに地域経済を支える中核企業の実態を反映しています。企業が仕入れやサービスにかかった費用を適切に販売価格へ反映させることを「価格転嫁」と呼びますが、これが進まない背景には、顧客離れを恐れるデフレマインドの根深さがあると考えられます。
原材料や運送費のダブルパンチ!建設業を中心に進むコスト高騰の波
さらに追い打ちをかけるように、増税後の原材料価格の変動については、全体の14%が「5%を超える上昇があった」と回答しました。特に深刻なのが建設業であり、実に26%もの企業が大幅なコストアップに悲鳴を上げている状態です。同友会の分析によると、この増税のタイミングに乗じる形で、これまで据え置かれていた運送費などの物流コストを上乗せする動きが社会全体に広がっています。複合的なコスト高が中小企業の経営基盤を激しく揺さぶっているのは間違いありません。
また、今回の増税と同時に導入された複雑な制度への不満も爆発しています。対象品目によって税率を変える「軽減税率」については66%、キャッシュレス決済を促す「ポイント還元制度」に関しては52%の企業が、制度の「再検討を求める」と回答しました。これは、日々の経理処理やレジシステムの改修といった目に見えない業務負担(事務コスト)が激増し、現場が疲弊していることを生々しく物語っています。
筆者の視点として、中小企業が価格転嫁を行えない現状は、単なる一企業の利益減少に留まらず、従業員の賃上げ原資を奪う深刻な問題だと確信しています。政府は複雑な補助金や還元策を乱発して消費者を煙に巻くのではなく、弱い立場にある中小企業が適正な価格交渉を行えるような、より実効性の高い監視体制やサポート体制を早急に整えるべきです。このままでは地域経済の活力そのものが失われてしまうでしょう。
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