海外でブーム到来!長野の日本酒がアメリカや東南アジアへ進出、地元の蔵元が仕掛ける世界戦略とSNSの期待感

日本国内で日本酒の消費量が落ち込む中、長野県内の伝統ある酒蔵が海外市場に新たな活路を見出しています。地域の魅力を世界へ発信しようと、各蔵元は独自の戦略を展開しているのです。これにはSNS上でも「地元の日本酒が世界に羽ばたくのは誇らしい」「海外の友人に勧めたい」といった応援の声が多数寄せられており、大きな期待が集まっています。

佐久市に拠点を構える橘倉酒造は、2020年06月からアメリカに向けて、炭酸ガスが含まれたスパークリング日本酒「たまゆら」の輸出を開始する計画です。まずは現地の大手スーパーなどをターゲットに定め、年間1万本ほどの販売を目標に掲げています。日本国内では300ミリリットル瓶が税別700円で親しまれていますが、アメリカではプレミアムな価値が付くため、さらなる高単価での商戦が見込めるでしょう。

乾杯にぴったりな発泡性日本酒は、現地でも食前酒としての需要が期待されています。橘倉酒造の井出民生社長も、最初の1杯として喜ばれている手応えを語っており、今後は現地ニーズに合わせて720ミリリットルなどの大容量サイズの展開も視野に入れているそうです。ワインのシャンパンのように、華やかなパーティーシーンを彩る定番酒として定着していくストーリーが目に浮かびます。

一方、北アルプスを望む米どころの松川村は、池田町の大雪渓酒造とタッグを組みました。2019年12月に、村特産の酒米(日本酒の原料として特別に栽培されたお米)を使った日本酒をラオスへ向けて初めて出荷したのです。合計1900本が現地に送られており、2020年からは現地の高級レストランなどで一般向けに提供される予定となっています。

ラオスでは2020年01月から02月にかけて「ジャパンフェスティバル2020」が開催され、そこでも松川村の日本酒を試飲できるイベントが用意されています。現地は日本と同じくお米が主食で、魚を食べる文化もあるため、白ワインのような感覚で親しんでもらえるポテンシャルは十分にあります。現地での認知度はこれからですが、富裕層を筆頭に新たなファンの獲得が期待できるでしょう。

さらに池田町は、経済成長が著しいマレーシアのクアラルンプール市内で、3年ほど前から市場開拓に励んでいます。2019年には現地のソムリエによる利き酒コンテストへ日本酒を提供するなど、ブランド価値を高める取り組みを重ねてきました。同年11月には町長自らが現地へ赴いてトップセールスを行うなど、官民一体となった熱いアプローチが続いています。

2018年のデータによると、長野県産日本酒の輸出量は300キロリットルにとどまっており、全国規模で見ればまだ発展途上の段階です。しかし、長野県が2018年04月に新設した「営業本部」は、日本酒を最重要品目として位置づけ、世界的なプロモーションを強化しています。輸送コストを抑えられる東南アジアや、高価格帯の販売が狙えるアメリカなど、地域の個性を活かした販路の切り替えは極めて合理的な選択と言えます。

筆者の視点として、日本酒の輸出は単なるモノの販売ではなく、長野の美しい「水と米の文化」を世界に輸出する素晴らしい挑戦だと確信しています。今後は海外の飲食関係者を日本の酒蔵に招くインバウンド(訪日外国人旅行)ツアーも計画されているとのことで、この取り組みが地域の観光業にも大きなプラスの循環をもたらすに違いありません。

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