【2020年訪日外国人目標】4000万人は厳しい?日韓関係の冷え込みが及ぼす観光業への影響と今後の対策

日本政府が掲げる「2020年に訪日外国人旅行客を4000万人にする」という大きな目標に、黄色信号が灯っています。国土交通省が2020年1月10日に発表したデータによると、2019年の訪日客数は3188万人にとどまりました。前年比でわずか2.2%の微増という結果になり、目標達成への道筋は一気に険しさを増しています。SNS上でも「オリンピックイヤーなのに本当に届くのか」「京都などの観光地はすでに混雑しているけれど、これ以上増えるのだろうか」といった、不安や現状を疑問視する声が数多く上がっているようです。

これまでの歩みを振り返ると、2011年の東日本大震災で一時的に落ち込んだものの、その後は右肩上がりで成長を続けてきました。査証(ビザ)の発行要件が緩和されたことや、格安航空会社(LCC)の路線網が拡大したこと、さらに為替が円安傾向で推移したことが追い風となっています。その結果、2010年には861万人だった年間客数が、2019年には約3.7倍にまで膨れ上がりました。しかし、ここにきて成長のスピードが急激にブレーキがかかった形です。

今回の伸び悩みに最も深刻な影を落としているのが、外交問題に端を発する日韓関係の悪化に他なりません。韓国向けの輸出管理が厳格化されたことをきっかけに、それまで訪日客全体の約4分の1を占めていた韓国からの旅行者が激減してしまいました。2019年8月から11月にかけての期間は、前年の同じ時期と比べて半分以下という歴史的な落ち込みを記録しています。追い打ちをかけるように、日本列島を襲った度重なる豪雨災害も、旅行者の足を遠ざける要因となりました。

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インフラ拡大も残る課題!他国からの誘客と受け入れ態勢の強化が急務

一方で、韓国以外のエリアに目を向けると、中国や東南アジア、欧米からの観光客は概ね好調を維持している点が救いです。2020年に大台である4000万人を突破するには、現状からさらに25%も上乗せしなければならず、非常に高い障壁が立ちはだかっています。これに対して政府も手をこまねいているわけではなく、空の便を中心に受け入れ可能な容量を拡大する計画を進めています。

国土交通省の試算によれば、2020年は羽田空港と成田空港の発着枠が拡大されるほか、那覇空港で第2滑走路の運用が開始される予定です。これにより、計算上は約600万人分の新しい受け入れ枠が生まれることになります。ただし、主力の市場である韓国からの観光客が戻らなければ、航空会社が実際に増便や新規就航に踏み切るかどうかは不透明と言わざるを得ません。大手旅行会社のJTBも、2020年の訪日客数を3430万人とシビアに予測しています。

編集部としては、単に数字の達成に固執するのではなく、観光の「質」を高める転換期にすべきだと考えます。多言語対応や交通機関の決済の利便性向上、宿泊施設の拡充など、旅行者がストレスなく過ごせるインフラ整備はまだ発展途上です。特定の国に依存しすぎたリスクが浮き彫りになった今こそ、欧米や東南アジアなど多様な国々からリピーターを呼び込めるような、日本の本質的な魅力を伝える仕組み作りを急ぐべきではないでしょうか。

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